もうこんな時期だ。LEDが年末のにぎわいを照らし、識者はこれから起きることを尊大に語る。またしても、私が新年の予測を披露する時が来たのだ。
- Longhornはもはや答えにならない(疑問ですらない)。この1年はLonghornの誇大宣伝ばかりで、詳しい情報は不足していた。Microsoftが「その機能はLonghornで修正(追加)される」といういつもの言葉を取り消して、もっとWindows XPに集中し続けようとしてくれることを期待しよう。
- PDAは過去のものになる――ネットにつながっていないものは。実際に、いずれ個人情報管理を中心としたPDAの中核機能は、携帯電話などほかのデバイスに移ることになる。今ほとんどの携帯電話はIT部門によって管理されていないため、大きな頭痛の種になるだろう。
- Blogが原因で職を失う人が増えるだろう。そうしたことは既に起きているが、今後はさらに起きるだろう。同意を得ずに仕事や雇い主のことをBlogに書いたら、自分の将来を大きな危機にさらすことになる。
- しかし、公式Blogを立ち上げる企業は増えるだろう。企業はBlog人気の高まりを目の当たりにしており、Blogがビジネスに使われるのは一般的になるだろう。残念ながら、こうした取り組みの中で、Blogを装ったつまらない宣伝が非常に多く出てくるだろう。
- セキュリティのFUDがITポリシーを駆り立てることになる。iPodやフラッシュメモリデバイスを使って企業データを持ち去られるのではという不安から、企業はユーザーに対してもっと過酷なIT対策を取ることになる。個人のハイテク製品と企業所有の製品の混在に対して厳格なポリシーが策定され、USBフラッシュディスクなどが禁止されるだろう。
- Wi-Fiはユビキタスになるが、職場ではそうはならない。Wi-Fiはコーヒーショップ、空港、ホテルなどの公共の場所では簡単に利用できるが、IT部門はセキュリティの懸念から導入を少し遅らせるだろう。エンドユーザーが自分でWi-Fiを用意することになり、一時的なネットワークがたくさん出現するだろう。
- VoIPが企業ユーザーの間で主流の技術になる。VoIPは今日、通信業界でおそらく最もホットな技術だ。VoIPサービスは企業向けの主流技術としてもっと成長すると見られる。年間で数兆分、数十億ドルに相当する企業ユーザーの音声通話をめぐる競争も激しく展開されるだろう。
- ワイヤレスVoIPはまだニッチにとどまるだろう。2004年には無線LANによる音声通信(VoWLAN)が盛んに宣伝され、マスコミにも取り上げられた。宣伝はもっと盛んになり、試験プログラムも幾つか行われるだろうが、VoWLANが大きく成長することはない。
- IT部門によるLinuxの採用は拡大するだろうが、デスクトップLinuxはそこまで行かないだろう。Linuxは既に多くのIT部門で主流のサーバソリューションとなっている。だが、この成功はデスクトップにまでは及ばないだろう。あまりに(市場が)断片化しており、重要なデスクトップアプリケーションを欠いている上に、Windowsプラットフォームへの依存が高まっていることが障害となって、デスクトップLinuxの採用が大きく増えることはないだろう。
- ムーアの法則は2005年も意義を持たないだろう。2004年においてもそうだが、スピードの向上は素晴らしいことだ。しかし、1999年ごろに「速い」を「十分速い」と感じていたほとんどの企業ユーザーにとって、それを正しいとするのは難しいだろう。高速なPCにとって最も重要な市場は、デジタルホームエンターテインメントを導入できるだけのスピードを必要とするコンシューマーだ。
一番大事なのは、われわれが皆、平和と繁栄とプラス成長に満ちた新年を迎え、テクノロジーの恩恵を享受できることだ。良い休暇を、そして2005年にまた会おう。
筆者マイケル・ガーテンバーグはJupiter ResearchのPersonal Technology & Access/Custom Research部門の副社長兼調査ディレクター。
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