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「いまや人間が持ち歩くトランジスタの数は“体毛”より多い」

» 2005年04月08日 19時35分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 「モバイルの時代」と銘打ったモビリティの基調講演を担当したのはインテルのモビリティ事業本部副社長兼モバイルプラットフォーム事業部長のムーリー・エデン氏。

パワフルな語り口と随所に飛び出す冗談で会場の眠気を一掃したムーリー・エデン氏

 インテルのモビリティに関する講演はいままで「Centrino」というキーワードをはじめとするノートPCセクションと、「PXA」や「フラッシュメモリ」といったキーワードで語られる携帯電話とPDA、といったそれぞれのセクションに分かれて行われることが多かった。

 今年に入って行われた組織改変でノートPC、携帯電話を一括して担当する新しいモビリティ事業本部となったことで、エデン氏の基調講演は、冒頭で携帯電話がスマートフォンに変化していく必然性や、フラッシュメモリ開発の現状、PXAをはじめとする携帯デバイスのプラットフォームブランド「Hermon」のロードマップを随所にはさみながらも、「お互いにデータを簡単に共有できるようになる」(エデン氏)と、携帯デバイスとノートPCの連携についてもアピールしている。

 ただし、今年の主要なキーワードが「マルチコア」でることを示してか、エデン氏は講演の多くの時間を来年登場する予定のモバイル向けデュアルコアCPU「Yonah」と、対応チップセット「Calistoga」、無線LANコントローラ「Golan」で構成されるノートPC向けプラットフォーム「Napa」の紹介とデモに費やした(もっとも、これらはエデン氏の担当領域であるわけだが)。

 エデン氏は「無線LANの導入によってノートPCは本当に使える移動可能なデバイスになった。Centrinoの登場から1年で、無線LANを搭載したノートPCは全体の60%に、そして2007年には90%以上になるだろう」とCentrinoによって無線LANが急速に普及し、ユーザーはどこでもネットワークに接続できるようになったことを実際のデータと示しながら紹介。

 しかし、エデン氏は続けて、ユーザーの更なる要求を満たすために「ノートPCはデスクトップPC並みのパフォーマンスを実現しながらも、軽く薄く、そして長時間のバッテリー駆動とどこでも接続可能な無線LAN環境を実現しなければならない」と述べ、それらの相反する要素を両立させるために、YonahをはじめとするNapaプラットフォームが必要になるとアピールする。

Napaプラットフォームを組み込んだテストシステムでFuturemarkが開発したマルチスレッド対応ベンチマーク「MECHANOIDS」を動作させ、Yonahのパフォーマンスをアピール

さらにエデン氏はYonahにおけるパワーマネジメントについても説明した。デュアルコアのYonahではそれぞれ負荷が異なる2つのコアを一括して管理している。そのため、それぞれのコアでより処理能力とパワーを必要とする状態にあるコアに合わせてYonahのパワーマネジメントステータスが設定される

 基調講演のステージには、Napaを組み込んだノートPCとともに、多数のコンセプトPCも登場。「筐体サイズはSonomaからさらに20%の小型化が実現する」とエデン氏が説明するNapaを組み込んだ省スペースデスクトップPCや、「On-The-Go」と称する次世代モビリティコンセプトデバイスが実際に動作していた。

エデン氏によると「On-The-Go」モビリティは3種類のデバイス「Download&Go」「Synch&Go」「Outside In」のコンセプトが存在する。エデン氏が手にするのは「Synch&Go」デバイス。ファンレス、タッチパネル&キーボートといったスペックが盛り込まれている

Yonahを搭載したコンセプトPC。液晶パネルの右上には「On-The-Go」モビリティが求めるスペック「ポップアップ式のカメラ」が見える

こちらは「On-The-Go」モビリティの「Outside In」向けコンセプトPC。ワイド液晶パネルの上辺にはカメラを内蔵し、筐体下部にはキーボード、タッチパッド、リモコンがビルドインできる

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