Futuremark未公開ベンチでアピールするマルチコアの実力

» 2005年04月07日 16時25分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 米国で行われたIDF Spring 2005でも、さまざまなセッションや製品展示が行われている今年の主要なキーワード「マルチコア」であるが、IDF Japan 2005にあわせて来日したスティーヴ・パウロスキ氏(インテル シニアフェロー兼デジタル・エンタープライズ事業本部CTO兼プラットドーム・プランニング、アーキテクチャ&テクノロジ担当ディレクタ)は、マルチコアCPUの存在意義について「処理能力の大幅な向上」と明解に説明。

マルチコアの紹介をしたスティーヴ・パウロスキ氏。インテルでは、マルチコアCPUのコンシューマ市場における移行速度について、2006年年末でデスクトップ、モバイルともに70%以上になると予想している

 ハイエンドサーバーだけでなく、デスクトップ、モバイルといったコンシューマー向けCPUもふくめた全セグメントにおいて現在15以上のマルチコア・プロジェクトを推進しているインテルは、コンシューマー向けとなる「デスクトップ・クライアント・ホーム」「モバイル・クライアント」それぞれでマルチコアCPUやチップセットで構成される「プラットフォーム」ブランドを定義している。

 これは、現行の「Centrino」と同じ統括的な呼び名で、デスクトップ・クライアント・ホームでは「Anchor Creek」、モバイル・クライアントでは「Napa」という名称がすでに明らかにされている(このほか、個人ユーザーに関係するものとしてデスクトップ・クライアント・オフィス向けの「Lyndon」がある)。

 Anchor CreekはマルチコアのPentium Extreme Edition(Pentium 4 Extreme Editionでないことに注意)と開発コード名「SmithField」「Presler」コアのPentium Dと対応するチップセット「Intel 955X」「Intel 945」の組み合わせとなる。

 Napaは2006年に登場する予定で、開発コード名「Yonah」コアCPUに同じく開発コード名「Calistoga」チップセットと「Golan」無線LANで構成されるモバイル向けプラットフォーム。

 最初に登場するPentium Extreme Edition(Pentium XE)はプロセッサナンバ「840」をつけた製品になる。動作クロックは3.20GHz、FSBも800MHzと現行のPentium 4 XEよりも低い値となる。L2キャッシュは2Mバイト搭載するが、それぞれのコアで利用できるのは1Mバイトとなり、こちらも現行より少なくなる。

Pentium XEの第1弾は動作クロック3.2GHz。会場では「840」というプロセッサナンバを導入した理由について質問が出たが、パウロスキ氏は「残念ながら私はマーケティングの人間でないので回答できない」とコメント

 ダイサイズは206平方ミリでトランジスタ数は約2億3000万個。90ナノプロセスでハイパースレッディング、EMT64、エグゼキュート・ディスエーブルビットをサポートする。

 パウロスキ氏はPentium XEに対応するチップセット「Intel 955X Express」の概要についても紹介。FSBは1066MHzと800MHzに対応、DDR2-667のデュアルチャネルと4つのSerial ATAに1つのUltra ATA、8つのUSB 2.0をサポートする。

Intel 955Xの構成。図ではインテルマトリックスストレージテクノロジに対応してRAID 0、1、5、10、AHCIに対応するとあるが、これはサウスブリッジに上位モデル「ICH7 SKU」を搭載したときにサポートされる

 PCI Expressはx16と6つのx1拡張スロットを実装可能で、PCI Express x16についてはブリッジチップを利用することで2本のPCI Express x16スロットに差した2枚のカードが使えるようになると説明した。

 加えてパウロスキ氏はマルチコアを採用することでパフォーマンスはどれだけ向上するかについても、具体的な数字を示して言及。デジタルムービーのフォーマット変換やデジタルコンテンツのレンダリングでは50%以上処理が高速化し、「複数の番組を録画しながらゲーム(Need for Speed 2)をプレイ」した場合でゲームのフレームレートが124%アップするとしている。

Pentium 4 XE/3.73GHzと比較して、Pentium XE 840がどれだけ性能が向上したかを示すデータ

IDF Japan 2005の会場にはマルチコアの専用デモブースも登場

「3DMark05」「3DMark03」を送り出してきたFuturemarkが開発しているマルチスレッド対応ベンチマーク「MECHANOIDS」でPentium 4 XE/3.73GHzとPentium XE 840のパフォーマンスを比較。スレッドが少ない「Light」状態では高クロックのPentium 4 XE/3.73GHzが優勢だが、スレッドの数を増やしていくとPentium XE 840システムが圧倒的に速くなる

こちらは「Cinebench 2003」を使ったデモ。一枚の画像を、システムが使えるスレッドの数だけ分割してレンダリングを行うこのテストでは、2つのスレッドに対応するPentium 4 XE/3.73GHzは2分割、4つのスレッドに対応(2スレッド対応コア×2=4スレッド)するPentium XE 840は4分割してレンダリング。1つのスレッドが扱う面積が少ないPentium XE 840のシステムはあっという間に処理を終了させた

会場では公開されていたNapaの動態デモ。インテルのデザインリファレンスボードを使ったシステムで動作クロック1.40GHzのCPUが2つ認識されていた

デジタルホームのエリアで展示されていたデュアルコア・コンセプトPC。この薄い筐体にはノート向けプラットフォームNapaが組み込まれており動態デモを行っていた。インテルは現行のCentrinoより発生する熱は多いものの、このサイズの筐体で十分使えると説明している。

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