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“押す”“引っ張る”も体感できる装置、産総研が開発

» 2005年04月12日 16時17分 公開
[ITmedia]

 産業技術総合研究所はこのほど、手に持つと“押す”“引く”“浮き上がる”感覚を体感できる小型装置「ジャイロキューブセンサス」を筑波大学大学院と共同で開発した。ゲームなどへの応用を視野に、実用化を進める。

 偏心回転子を2つ内蔵した約30(幅)×5(直径)センチの筒状装置。回転子の回転速度や回転のずれを制御して細かい振動を発生させ、人間の知覚をだまして一方向への力を感じさせる仕組みで、手に持つと、引っ張られたり押されたり、装置が浮いたりといった感覚が得られる。動きの制御は、接続したPCから行う。

 従来、力覚や触覚をバーチャルに再現する装置は大型な上、ワイヤーなどで体を固定する必要があるものがほとんどだった。開発した装置なら小型で手軽に持ち運び可能。さらに小型化して携帯電話に組み込み、目的地方向に引っ張っぱって案内する歩行者ナビゲーションシステムや、魚に引っ張られる感覚を味わえる釣りゲームなどへの応用を想定し、実用化を進める。

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