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Solarisオープンソース化、SCOは「問題なし」

» 2005年04月14日 19時22分 公開
[Steven J. Vaughan-Nichols,eWEEK]
eWEEK

 1年あまりかけて、Sun Microsystemsはオープンソース版Solarisのリリースに向け少しずつ前進してきた。しかしこの戦略のピースの1つは宙ぶらりんのままになっていた。Solarisの基盤コードはSCO Groupが所有しているため、Sunはほかのオープンソース版UNIXベンダーが直面している法廷闘争を避けられるのか、という問題だ。

 だが4月13日の決算発表の際、SCOのダール・マクブライドCEO(最高経営責任者)は、SunはSolarisオープンソース化計画についてSCOと話をしており、SCOとしては何ら問題はないと明かした。

 「われわれはSunのOpenSolaris計画の内容を見た。当社としてはこれに問題はない。彼らがやっていることは、われわれのUNIXの知的所有権を守っている」(同氏)

 実際、「ほかの企業がもっとわれわれの知的所有権を尊重していたら、われわれは皆もっと幸せになっていただろう」とマクブライド氏は係争中のIBMとの訴訟を指して語った。

 Sunは1年あまりかけて、Solaris 10のオープンソース化(OpenSolaris)を緩やかに進めた。だが今のところ、OpenSolarisのコンポーネントのうち公開されたのは、同OSの一部ではないDTraceなどのプログラムだけだ。

 最近、SunはOpenSolaris Community Advisory Boardを任命した(4月5日の記事参照)。この動きはOpenSolarisへの関心をかき立てたかもしれないが、社内の関係者は、SCOが守っているUNIXコードを基盤としたOSをどうやったらオープンソース化できるのかという重要な疑問は未解決のままだと話していた。

 昨秋、Sunの関係者は、オープンソース版Solarisの適切な知的財産ライセンス権を持っていると主張していた。

 SCOの広報担当ディレクター、ブレイク・ストーウェル氏は9月の時点で、Sunのオープンソースライセンス計画についての質問に、「SCOはUNIXの知的所有権のためにIBMと戦うという意思表示をしている。Sunにもそれは分かっているはずだ」と答えていた。

 さらに、アナリストとオープンソースコミュニティーのメンバーは、Sunの戦略と法的な選択肢について疑問を呈していた。

 「SunがSolarisをオープンソース化するとは、私には理解しがたい」とIDCのシステムソフト担当副社長ダン・グズネツキー氏は9月の取材で述べていた。

 「Sunはかなり前にUNIXのロイヤリティを前払いしたが、それでもSolarisがUNIXの派生物であることは認めるだろう――これはUNIXなのだ。SCO Groupは現在のUNIXのオーナーであり、自社の知的財産がオープンソースライセンスの下で自由に渡されることを決して認めないだろう」(同氏)

 マクブライド氏はこの日、SCOとSunの間でどのレベルで――弁護士同士の話なのか、幹部の間での話なのか――話し合いが行われたのかを明かすことは避けた。「SCOは今、自社の権利が守られていることに満足している」と同氏。

 Sunの幹部からコメントは得られていない。

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