2005年が明けてから最初の3カ月、Apple Computerにとって格別の四半期となった。信じられない人は4月13日にリリースされた同社の四半期決算を見るといい。特筆すべきは、Mac本体の出荷台数が前年同期比43%増、そしてiPodがなんと558%増を達成したのだ!
これはiPodに関するコラムではないが、出荷台数を5倍強(の530万台に)伸ばしたことにはただ感銘する。誰だか分からないが、これだけの増産、部品供給などを管理したAppleの担当者に祝辞を述べたいくらいだ。
Appleの素晴らしい四半期決算についてさらに知るべく、Needham & Co.で証券アナリストを務める友人のチャーリー・ウルフに電話をかけた。彼は、Appleのスティーブ・ジョブズCEOがiTunesをWindowsに対応させると発表した際、Apple株を1株6ドルで買ったことを喜んで明かしてくれた。株価は現在41ドル強に跳ね上がっている。
私自身はApple株を買い損ねたが、ウルフ氏は私が心から信頼する数少ないアナリストの1人だ。彼のキャリアは長く、彼との付き合いもずいぶんになる。互いの意見はいつも同じとは限らないが、彼の純資産が私のそれを上回ったことはこれまで何回もある。後は皆さんで判断するといいだろう。
ウルフ氏は「Appleは今ちょうど勢いづいている」と見ている。レポート作成に追われているところ、彼は貴重な10分間を私のために割いてくれた。後の詳細は私が記すことにしよう。
Appleの世界PC市場シェアは、現在の2%から2009年までに2倍に拡大するとウルフ氏は予測している。Appleにとっては非常に大きな伸び幅だが、Microsoftの“レーダースクリーン”で見れば光点にすらならないだろう。Appleの成長は部分的にiPodユーザーがリードし、彼らの10%〜15%がいずれMacマシンを購入すると予測される。
またAppleの成長は、サードパーティ製Macソフトウェアの――そしてそれに伴って、法人顧客のオプションの――さらなる広がりを意味する。企業では、社内あるいは自宅勤務でMacの使用を求める従業員が今まで以上に増えることだろう。
幸いなことに、4月29日にリリース予定の次期Mac OS X「Tiger」で提供される機能と、今夏予定されているMicrosoftのMac対応Officeによって、MacからWindowsネットワークへのアクセスが強化される。このためITスタッフは、社員からのMac関連のリクエストに応えやすくなるだろう。
「Appleの成長は上限に達し、後は下降するだけでは?」との私の質問を、ウルフ氏は巧みにかわした。Mac本体の成長はこのまま続くが、音楽プレーヤーの伸びは鈍化するかもしれないと同氏。年率500%はめったに長く続くものではない。
にもかかわらず、ウルフ氏はAppleの将来はまだ明るいと予測しており、私もそれに同意する。私としては、コンシューマー市場での成功をてこに、Appleには法人市場の拡大にも乗り出して欲しい。しかしそのためには、ユーザーによる「草の根レベルの努力」――職場にMacを持ち込んだり、在宅勤務でMacを使用するようになること――と同じくらい、Appleが直接手を下せるあらゆる手段を講じる必要があるだろう。
MP3プレーヤーでの成功が、AppleのPC市場におけるシェア拡大に貢献している事実はおかしく見えるかもしれない。私が思うに、こうした現象はApple以外の会社では考えられないことだ。だが今日のAppleのように、コンピューティングと家電の交差地点に位置し、また当面この地位を維持しそうな企業は、ほかにない。
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