2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
東京大学などに所属する研究者らが国際学術誌British Journal of Nutritionで発表した論文「Identification of chrono-nutrition behavior patterns and their associations with sociodemographic characteristics, diet quality, and obesity」は、日本人の食事のタイミングや頻度といった食事リズムが大きく4つの型に分類されることを網羅的に明らかにした研究報告だ。
近年、いつ、どのくらいの頻度で食事をとるかという時間栄養学が健康に与える影響に注目が集まっている。しかし、従来の研究は朝食の欠食など単一の習慣に焦点を当てたものが多く、1日の食事全体のタイミングや頻度を組み合わせた全体像の把握は、特に日本人において不十分だった。
そこで研究チームは、全国の20〜69歳の日本人男女1047人を対象に、11日間にわたる詳細なリアルタイム食事記録の調査を実施した。参加者には食事のたびに時刻を記録してもらい、起床・就寝時刻も併せて記録した。さらに、このうち4日間は食事内容についても記録を求めた。これらのデータを基に19種類の時間栄養学的食行動の変数を作成し、主成分分析という統計手法を用いて解析を行った。
その結果、日本人の食事リズムは以下の4つの特徴的なパターンに分類されることが判明。このパターンは、食行動の個人差の63%を説明できるという。
これらの食事リズムは個人の属性と強く関連していることも分かった。例えば、若年層や男性には「休日に朝食抜き型」が多く、女性には「間食多め・夕食少なめ型」が多いといった傾向が確認されている。
一方で、これら4つのいずれの食事リズムにおいても、食事の質(栄養バランス)や肥満(BMI・腹囲)との間に統計的に有意な直接的関連が認められなかった。食事の質は、米国に基づく指標「健康食インデックス」を用いて客観的に評価されたが、リズムの型そのものが肥満度や栄養状態の良し悪しに直結するわけではないことが示された。
小説家がアルツハイマー病に→作品に兆候はあったのか? クリスティの文章などを調査 2011年の研究
「夜勤による心臓へのダメージ」は“食物繊維”を食べると軽減? 海外チームが22万人を調査
“お腹を壊しやすい人”が夏の水分補給に飲むべき飲み物とは? 海外チームが2024年に研究発表
中年以上は“マルチビタミン”を毎日飲むと記憶力低下を軽減できる? 500人以上が2年間飲み続けた結果は
漫画の吹き出しや効果音を自然に消す技術Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR