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ロボットドクター、英病院で始動

» 2005年05月19日 13時34分 公開
[ITmedia]

 医療用ロボットが英ロンドンの病院で働き始めた。

 英インペリアル大学が開発したこのRemote Presence(RP6)ロボットは、無線技術を使って、医療専門家が遠隔地にいる患者と通信できるようにする。手術の指導やビデオ会議にも利用できると同大学は説明している。

 このロボットは離れた場所からジョイスティックで操作でき、医師はこのロボットを操作して患者の様子を見たり、問診したり、医療記録を読んだり、X線検査などの結果を見ることができる。ロボットの「顔」の部分には医師の画像が表示される。

 RP6ロボットは患者を物理的に診察しないが、患者と医師を対面させ、専門家にすぐに接触できるようにする。

 このロボットはSt Mary's病院の一般外科病棟とA&E(救急外来)で試験導入されており、スタッフから「Sister Mary」「Dr. Robbie」と呼ばれている。インペリアル大学の学術・臨床技術部門でもトレーニング目的で利用されている。

 このプロジェクトのリーダーであるパーブ・セインズ氏は、RP6には、たとえ物理的には近くにいなくても、患者が世界中の専門家や、手術を行う医師に直接接触できる利点があるとしている。

 「われわれのロボットが病棟の医師に取って代わることは決してないだろうが、これは医師が離れた場所の患者にも接触できるようにするコミュニケーションツールだ」(同氏)

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