米Googleの共同創立者、サーゲイ・ブリン氏は「オンライン旅行」に対する答えを持っている。だがそれは、飛行機内でチケットを予約することではないようだ。
同氏はこれを「Google Earth」と呼ぶ。昨年Googleが買収したKeyholeの3Dマッピング技術の新名称で、5月19日に米カリフォルニア州マウンテンビューの本社で発表された。
Googleは19日に本社で開催したメディア向けイベントで、Google Earthを向こう数週間以内にリリースする計画を明らかにした。
この計画で、上空からの視点で世界を展望できる技術の上にGoogleの地元情報検索と運転ナビゲーションサービスを統合したクライアントソフトにより、現行のKeyholeデスクトップソフトはリプレースされることになる。
ブリン氏はこの新ソフトを使って、自身がまだ一度も訪れたことのない観光名所グランドキャニオンを――仮想的に――「飛び」、大渓谷の山頂や谷底の景観を眺める様子を披露した。
「これでもう現地に行く必要がない」と同氏。
Google Earthは、Google Mapsで最近提供が開始された衛星画像を次のレベルに引き上げるものだとブリン氏は説明した。
ユーザーはこれを使って特定の場所を検索し、上空視点から焦点を合わせ、その3D地図上に運転ナビゲーションを重ね合わせることができる。
またユーザーは、これらのナビゲーションをアニメーション化して空の旅を楽しむこともできる。
Google Earthは、Keyholeの航空写真と衛星写真の拡張データベースにアクセスして機能する。Keyhole担当ジェネラルマネジャー、ジョン・ハンク氏によれば、このデータベースは先日アップデートされたという。
新たなデータベースには米航空宇宙局(NASA)をはじめとする提供元からの地形データが含まれ、Keyholeの現行バージョンで網羅しきれていない地方や原野を含む地球上のより広い範囲がカバーされていると、ハンク氏はインタビューで答えた。
Google Earthは、画像の解像度も向上した。解像度は全体的に強化され、欧州の主要都市など、これまで以上に広い地域が最高の解像度で閲覧できるようになる。
「最高解像度がサポートされていない地域においても、今までより高い解像度で表示される」と、Googleの技術担当社長を務めるブリン氏は語った。
Keyholeデスクトップソフトは現在パーソナルとプロフェッショナルの2種のエディションが有料で提供されている。
ハンク氏は、これをリプレースすることになるGoogle Earthが有料提供されるのか、あるいはGoogleの多くのソフトやサービスと同様に無料ダウンロードで提供されるかどうかについて、コメントを避けた。
ただしGoogle Earthを使った“オンライン旅行”には1つだけ難点がある。このソフトが、インターネットを介してKeyholeの数テラバイトデータベースからマッピングデータを引き出しているという点だ。デモを行ったブリン氏とハンク氏もステージ上で苦労していた。
デモの最中にインターネット接続が一時的に切れたとき、Google Earthは機能停止に陥った。
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