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萌えアニメ、増えても暮らし楽にならず、じっと手を見るNews Weekly Access Top10(2005年5月15日−5月21日)

» 2005年05月23日 17時19分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 4月に株式市場を揺るがして話題になった「萌え市場調査」に関して、浜銀総合研究所にインタビューした記事が先週8位にランクインした。

 同社の調査部の信濃伸一研究員によると、深夜帯に地方局で放映されるオタク向けアニメが増えたため、現場のクリエイターの仕事量は増しているが、彼らの収入アップには結びついていないという。

 これまで地方局は、深夜には何も放映しないか、放映してもテレビショッピングくらいだったという。しかし「テレビ東京が1998年に深夜帯で放映したアニメ『TRIGUN』の成功がきっかけで、オタク向けなら採算が取れると踏んだ局が次々に参入した」。

 アニメへのニーズが増えれば、業界全体が潤ってクリエイターも喜んでいるかと思いきや「売れるアニメ、売れないアニメの差が大きいため、全体の売り上げはそれほど伸びていない。加えて、現場で実際手を動かしているクリエイターにお金がまわる仕組みができていない」。忙しくなっても給料は増えず、心身をすり減らしているというのが実情のようだ。

 「政府は、アニメ作りの資金調達をしやすくしようと、金融分野でコンテンツ振興策を進めている。調達した資金を、現場のクリエイターにいかに回すかが課題だろう」。

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