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低ロス波長の単一光子伝送実験に成功 東大と富士通研

» 2005年05月23日 20時10分 公開
[ITmedia]

 東京大学の研究グループと富士通研究所は5月23日、波長1.55μメートルの単一光子を発生させて光ファイバーで伝送する実験に世界で初めて成功したと発表した。

 同波長は光ファイバーでの伝送ロスがもっとも小さく、既存の長距離通信で広く使われている。単一光子の伝送に成功したことで、量子暗号通信の長距離化や通信速度の高速化に貢献できるとしている。

 同大先端科学技術研究センター・生産技術研究所ナノエレクトロニクス連携研究センターの荒川泰彦教授グループと富士通研は、光子の取り出し効率を高めた単一光子発生素子を作成。同波長の単一光子の発生と、光ファイバーによる伝送を確認できた。

 量子暗号通信は、極小の光子1個に情報を載せて通信する。伝送損失が少ない波長帯での実験成功は、量子暗号通信の課題となっている長距離化に向けて非常に重要だとしている。

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