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世界半導体市場、中国がけん引 2005年は6.3%増

» 2005年05月31日 21時13分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 半導体市場の統計機関 World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)日本協議会の発表によると、2005年の世界半導体市場は前年比6.3%増の2265億ドルと、過去最高を更新する見通し。日米欧はマイナス成長(現地通貨ベース)だが、中国を中心としたアジア地域で11.8%増(ドルベース)と高成長を見込んでいる。

 2004年の世界市場は前年比28%増と大幅に成長したが「2005〜2006年は調整局面に入る」(WSTS日本協議会・市山寿雄会長)ため、成長率は鈍化する見通し。

 日米欧のマイナス成長は、生産拠点の中国シフトが進んでいるため。その後も中国が市場をけん引し、2006年の世界市場は同5.2%増の2382億ドル、2007年は同10.5%増の2633億ドルとなる見通し。「2008年の北京オリンピックに向けて、中国での半導体需要は伸び続けるだろう」(市山会長)。

 2004年の国内市場は4兆9549億円と前年比10%増。2005年は国内も調整局面に入り、前年比0.3%減の4兆9392億円となる見込みだ。以降は回復し、2006年は同4.4%増の5兆1556億円、2007年は同9%増の5兆6177億円と予測している。

 シリコンサイクルは「マクロ的には存在し続けると個人的には思う」(市山会長)。半導体の用途がデジタル家電や携帯電話など多様化したため、PC向け需要が大半だった以前に比べて急落するリスクは低減したものの、オリンピックや米大統領選など4年ごとのイベントに連動して需要が動くという。

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