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Tablet PCを「まだ信じる」ビル・ゲイツ氏

» 2005年06月28日 10時07分 公開
[IDG Japan]
IDG

 コンピューティングのメインストリームになれずにいるTablet PCを、多くの人は見限ったかもしれない。しかし、まだ1人、強力な支持者がいる。Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏は6月27日、同氏は今でもこのフォームファクターを信じており、ハードとソフトが向上すれば、Tablet PCは従来型のノートPCを圧倒できるとの予測を改めて語った。

 ゲイツ氏は2001年、ラスベガスで開催されたCOMDEXショウでTablet PCのプロトタイプを披露した。2002年の立ち上げの1年前のことだった。このとき同氏はニュースリリースの中で、「これは事実上限界のないPCであり、5年以内に米国で販売されるPCの中で一番人気の形になると予測している」と述べていた。

 そのときから3年半あまりが過ぎた。これまでのところTablet PCは、今は亡きCOMDEXよりもわずかにうまくやっている程度だ。一握りのベンダーがTablet PCを販売しているが、医療などの特殊な市場が売上の大半を占めている。ほかのユーザーや企業ユーザーはあまりこのフォームファクターを気に入っていない。

 2004年のTablet PC出荷台数は約64万台、今年は120万台に達する見込みだ。これは世界ポータブルPC市場の約2%に相当すると、IDCは2月に報告した。「IDCは引き続き、Tablet PC技術は未来のポータブルPC設計に欠かせない部分になると信じているが、この技術の採用は当初の予測よりもスローペースで進むだろう」とIDCの報告書には書かれていた。

 「Tablet PCをメインストリームにするには、ハードとソフトの両面で投資を続ける必要がある」とゲイツ氏は27日に東京で開いた記者会見で語った、「これはまだメインストリームではない。わたしはタブレットを信じ切っている」

 ゲイツ氏は、共同で記者会見を開いた東芝を賞賛した。両社は提携を拡大し、インタラクティブビデオディスク技術と、Tablet PCを含むLonghornベースの将来のコンピューティングプラットフォームについての取り組みを含めることを明らかにした(6月27日の記事参照)

 「特に医療や保険の分野で、Tablet PCの売上は非常に良く伸びていると思う。われわれがやるべきことは、このフォームファクターを、すべての学生や会議の多いビジネスマンがこの特別な機能性を必要と感じるレベルにまで到達させることだ」(ゲイツ氏)

 「Longhornリリースの一環として、タブレットソフトは大きく改善されるだろう。それはわれわれが東芝と協力する多くの分野の1つにすぎない。わたしは再び、正確な時期は言わないが、将来ほとんどのポータブルマシンがタブレット型になると予測する。向こう3〜5年のうちに、ソフトとハードの改良によりこの予測は現実になると期待する」と同氏。

 Longhornの重要性については、IDCも同意している。同社は、Longhornにより2007年はTablet PCによって重要な年になり、この年にTablet PC出荷台数は約490万台に、翌2008年には970万台――同社の予測によれば、ポータブルPC出荷台数のおよそ11%――に達すると考えている。

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