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TOEICが来年リニューアル カナダや豪州英語の聞き取りも

» 2005年07月13日 20時47分 公開
[ITmedia]

 英語検定試験「TOEIC」が、来年5月にリニューアルする。問題文を一部長文化するほか、誤文訂正問題をなくすなどして実用性を高める。リスニング問題は、アメリカ発音に加えて英国やオーストラリアの発音も採用する。難易度や試験時間、問題数は変わらない。

photo 変更点一覧

 一般申し込みで受験する公開テストは、来年5月28日に実施する第122回から新テストに変わる。企業や学校など団体向け試験のリニューアルは2007年度以降になる。

 新試験では、リスニング問題の一部を長文化する。会話聞き取り問題はこれまで、短文1文×30問だったが、文章を長めにし、1文当たりの設問を3問(10文×3問)に増やす。テストを開発している米国Educational Testing Service(ETS)のトリナ・デュークさんは「現実生活により近いシチュエーションの試験になる」としている。

 写真を正しく説明している文章を選ぶリスニング問題は、20問から10問に減らす。理由は「現実生活で、写真の解説文を選ぶような機会はまずない」(デュークさん)ため。

 リスニング問題の発音はこれまでアメリカ英語のみだったが、イギリス、カナダ、オーストラリア・ニュージーランド発音の問題も出す。

 リーディングでは新たに、長文中の複数の空所に単語を補充する問題を追加する。読解問題も一部長文化するほか、2種類の文章の関係を類推する問題を追加する。誤文訂正問題はなくす。

 ETSは、新テストに対応した公式問題集を今年12月に発売予定。新テストのサンプル問題はWebサイトで公開している。

 TOEICは、1979年に日本が発案した択一式の英語検定試験で、ETSが問題を作成し、国内では国際ビジネスコミュニケーション協会が運営している。リスニング(45分、495点満点)とリーディング(75分、495点満点)の2パート合計で990点満点。世界60カ国で年間340万人が受験している。昨年の国内受験者数は143万人。

photo 「実用的な試験になった」とデュークさん

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