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Itanium 2の新プロセッサはMontecitoへ向けたステップ

» 2005年07月19日 23時19分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 「667MHzのフロントサイドバス(FSB)は、Montecitoへ向けた1つのステップ」(インテルのマーケティング本部、エンタープライズプラットフォームマーケティング統括部長の平野浩介氏)――インテルは7月19日、Itanium 2プロセッサの新製品を発表した(関連記事)

 新プロセッサの特徴は、FSBをこれまでの400MHzから677MHzへと高速化したこと。これによりプロセッサとチップセットの間の帯域が毎秒10.6GBに高速化され、サーバシステム全体では最大34%のパフォーマンス向上が実現できるという。このFSBアーキテクチャは、年度内に正式リリース予定、来年には量産開始を見込んでいるデュアルコアプロセッサ「Montecito」と共通であり、移行が容易な点も特徴という。

 新プロセッサ2製品はいずれも、クロック数が1.66GHzへと若干向上している。違いはL3キャッシュの容量で、6MBのものは1000個ロット時の価格が24万1340円、9MBのものは51万2050円。

 インテルは説明会の中で、ただプロセッサの高クロック化だけでなく、システムバスやL3キャッシュなど、各要素をバランスよく強化していくことが重要だとした。さらに、マルチコアやハイパースレッディングといった技術を組み合わせることで、Itaniumファミリをいっそう進化させていくという。

 「ムーアの法則のとおり、過去3〜4年の間にプロセッサの性能は3倍に向上した」と平野氏。しかし、このペースの性能向上で今後の市場のニーズに答えられるかというと微妙という。

 力ずくでクロック数を上げるというやり方もあるが、それでは消費電力や発熱の問題を避けられない。マルチコアやマルチスレッドといったテクノロジを活用することで、「次の4年で10倍以上の性能向上が見込める」(同氏)という。

 「マルチコア化は、今後の業界の趨勢になる」(平野氏)

 なおこの発表に合わせて日立製作所は、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」向けに、667MHz FSBに対応したインテル Itanium 2プロセッサ(1.66GHz)を搭載したサーバモジュールを製品化したことを発表した。このサーバモジュールは日立独自開発のチップセットを搭載しており、インテルが述べたとおりMontecitoへの移行もにらんだ設計になっている。価格は355万9500円からで、7月29日より出荷が開始される。

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