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下降を続けるDell、首位を守るApple――米顧客満足度調査

» 2005年08月16日 17時59分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米国の消費者は昨四半期に行われた調査の中で、Dellのカスタマーサービスは貧相だと批判した。同社は、Apple Computerの取り組みに後れを取っているPC市場のほかの企業と実質的に並ぶことになった。

 Appleは前年に続き、米国顧客満足度指数(ACSI)においてパーソナルコンピュータ購入者から最高の評価を獲得したと、ACSI担当ジェネラルマネジャー、デビッド・バン・アンバーグ氏は語る。同氏によると、ミシガン大学は米国民への無作為の電話調査とその購買習慣の調査により、多数の製品カテゴリーのACSIをまとめている。

 Appleは8月16日に発表された調査結果で、業界平均の74点に対し81点を獲得した。同社は製品の革新と顧客サービスにフォーカスした取り組みにより、ほかのPCベンダーとは違って多数の忠実な顧客を獲得していることで知られているとバン・アンバーグ氏。同社は2004年にも81点を獲得した。

 一方Dellのスコアは、前年の79点を下回る74点だった。調査回答者らはほとんど、Dellの製品ではなくカスタマーサービスの質について不満を述べたという。ACSIは顧客が経験した問題の種類について具体的な質問はしていないが、顧客は明らかに昨年よりもDellに不満を持っていたとバン・アンバーグ氏は指摘する。

 同氏によると、Dellに関して繰り返し出てきた苦情が幾つかあり、それはカスタマーサービス担当員の(電話の)保留時間の長さと、顧客が最終的に受けた支援の質だった。DellはPC出荷台数においてHewlett-Packard(HP)に対するリードを広げ始めたが、市場リーダーが製品出荷を増やした時に、同じペースでサービス能力を伸ばせないことは時々あると同氏は指摘する。

 Dellは先週、新しいカスタマーサービスセンターを2カ所開設する計画を発表したが、ケビン・ロリンズCEO(最高経営責任者)は、同社がカスタマーサービスに問題を抱えていることは認めなかった。

 ACSIは、2つのカテゴリーでHPの顧客満足度を測定した。その理由としては、HPの米コンシューマーPC部門が2つの製品ラインに分けられていること、2002年にHPがCompaqを買収する前は両製品ラインの実績を比較していたことなどがある。HPブランドの製品は73点、Compaqブランドの製品は最下位の67点だった。

 HPブランド製品は合併前と比べて顧客満足を取り戻しているが、Compaqブランド製品は業界平均を大きく下回る状況が続いているとバン・アンバーグ氏。HPはマーク・ハードCEOの下でコスト削減の機会を模索しており、2ブランド戦略を調査しているところだ。一部アナリストは、Compaq PCをラインアップから切り捨てる時かもしれないと考えている。

 Gatewayは昨年、emachines買収後に最もスコアを伸ばしたが、今年は少し点を下げて74点から72点となった。しかし、この差は誤差(3ポイント)の範囲内だという。

 全体として、パーソナルコンピュータ業界の顧客満足度は、家電や自動車などほかの業界のスコアを依然として大きく下回っている。業界が自社製品の使い勝手を良くしようと努力しているにもかかわらず、顧客はまだパーソナルコンピュータ技術に不満を持っているとバン・アンバーグ氏は指摘する。

 ACSIは購入者が最後に買ったコンピュータの満足度を測定する。これによりACSIは最も新しい体験を測れると同氏は語る。1社あたり250人の顧客を調査した。

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