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コールドプレイのライブで携帯を使った貧困撲滅キャンペーン

» 2005年08月23日 12時35分 公開
[IDG Japan]
IDG

 貧困撲滅を目指す国際団体のOxfam Internationalは8月19日、米カリフォルニア州マウンテンビューで行われたコールドプレイのコンサートで、貿易法改正の嘆願書にテキストメッセージを使って署名できる機会を来場者に提供した。

 Oxfamはコンサート開始前、コールドプレイのリードボーカルでOxfamのスポークスマン、クリス・マーティンをフィーチャーしたビデオを流して来場者に署名を呼び掛けた。自分のメールアドレスを携帯電話で87233に送ると「Big Noise」と呼ばれるこの署名アクションに参加できる。87233はアルファベットで「TRADE」(貿易)に相当する。

 送られたメールアドレスは収集・一覧化され、OxfamはSun Microsystemsの技術を使ったシステムを通してこれらのアドレスに返信できる。Oxfamと署名者の間でメールを通した直接のやりとりが可能になり、署名者がOxfamの「Make Trade Fair」キャンペーンにさらに積極的に参加できるようになるわけだ。

 コールドプレイのツアーでOxfam Americaのボランティアコーディネーターを務めるナジャ・エルセイド氏によると、このキャンペーンでは、貧しい国の経済の発展に寄与する公平な貿易法の制定を求めている。Oxfamでは不公平な貿易法と、国民の主な収入源として農業に頼る国々の貧困との間に、直接的因果関係があるとみていると同氏は説明した。

 このテキストメッセージ送信イベントは、11月まで続くコールドプレイのワールドツアー中行われる。エルセイド氏は、来場者にテキストメッセージを送るよう促すことで、コンサートで告知をするだけの場合より、多くの参加者をMake Trade Fairキャンペーンに呼び込めると語っている。Oxfamはまた、コンサート会場に署名受け付けのためのブースも設けている。

 Sunはテキストメッセージングとメール応答のためのインフラとして、Solaris 10とJava Enterprise Systemを搭載したSun Fire v20zおよびv40zサーバを提供。同社グローバルブランド・広告担当ディレクターのローズ・クレメント氏によると、これはハイテクに詳しい若者に技術を使って社会貢献を呼び掛ける「Share the Opportunity」と呼ばれるSunの取り組みの一環。

 「技術によって、人は世界を変えるイベントに参加・関与できる。当社はそれを可能にするインフラを構築したい」とクレメント氏。

 同氏によるとSunは今年、アイルランドのロックバンドU2のワールドツアー、および米フィラデルフィアとスコットランドのエジンバラでのLive 8コンサートでも、このテキストメッセージングプラットフォームを使って同様のイベントを実施し、慈善団体を支援した。

 エルセイド氏によると、OxfamはBig Noise署名アクションによって1000万人の署名を集め、12月に香港で予定されている世界貿易機関(WTO)の会議に集まる閣僚らに嘆願書を提示したい考え。

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