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LycosとYahoo!がカトリーナ被災者情報を提供するポータルサイト設置

» 2005年09月09日 14時45分 公開
[IDG Japan]
IDG

 主要Web検索企業のLycos.comとYahoo.comの2社が、大型ハリケーン「カトリーナ」被災者情報を提供している複数の災害サイトを総合的に同時検索できるWebページを設置した。カトリーナで被災し、負傷したり避難した可能性のある家族や友人などの情報を入手できるようになる。

 特別設置されたLycosのSearch for Missing PersonsとYahoo!のKatrina People Finderでは、ビジターが探している人の氏名を入力すると、その人が生存者リストや行方不明者データベースに加えられているか、または数十件に及ぶ災害および緊急情報サイトに載っているかどうかを即座に知ることができる。

 「今の状況は両刃の剣」と話すのは、米マサチューセッツ州ウォルサムに本拠を置くLycosの最高コンテンツ責任者(CCO)、ブライアン・カリノウスキ氏。「まず1つの側面として、(カトリーナ被災者関連の情報を探している)人々のためのサイトが大量に設置されている状況をうれしく思う」。だが一方で、家族や友人に関する情報を欲している多くの人々は、探すためにはまずどこにアクセスすればいいのかがまったく分からないでいるという。彼らは米国土安全保障省、連邦危機管理局(FEMA)といった機関のサイトを探すことに慣れていない、と同氏は説明した。

 「当社の検索サイトを通じて、1カ所からあらゆる情報を入手できる場を提供したい。これによって、少なくとも人々の手間を軽減することはできるはずだ」と同氏。

 Lycosのエンジニアリングチームは1日半かけてこの特別ポータルを構築、現在およそ35の災害復旧サイトから収集した情報を提供しているという。インターネットベースでWebを巡回する“spider”を使ってテキストを入手し、災害サイトのコンテンツのカタログを作成する手順を経て、Lycosは1つの検索ボックスからすべての関連サイトを検索可能にしている。現在までに約25サイトがspiderによって完全網羅されており、このほか大規模なアメリカ赤十字サイトなどはまだ準備中だが作業が完了次第、検索リストに追加されることになっている。

 Lycosから現在検索可能なサイトはKatrinaSurvivor.net、CNNのHurricane Katrina Safe List、New Orleans Times Picayune新聞のオンラインフォーラム、The Weather Channel提供のメッセージボードなど。復旧作業の詳細情報を提供しているニュースサイトや災害援助団体のリストも別に設けられている。

 さまざまなWebサイトからコンテンツを収集して1つのポータルから提供すれば、ユーザーは、個々のWebサイトが保管しているデータベースやそのほかのソフトウェアに関する知識がなくても検索できるようになる。「Web上で求めている情報にアクセスさえできれば、背後でどの種類のデータベースが使われているかは彼らには関係ない」(カリノウスキ氏)

 Lycosは、今後もニーズに応じて検索可能なWebサイトを増やしていく考えだという。

 一方、米カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置くYahoo.comが提供するHurricane Katrina Message Boardsでは、KatrinaSafe.com、CoastGuard Connect、the Salvation Army Emergency Radio Network、Operation Get-In-Touchを含む数十サイトからの情報を収集している。

 広報担当のケリー・デラニー氏によれば、この特設ページはYahoo!創設者の一人であるデビッド・フィロ氏とエンジニアのチームが構築し、9月5日から運営開始されている。

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