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MS、検索API公開でGoogleに対抗

» 2005年09月09日 16時26分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftは来週、開発者がMSNの検索、マッピング、インスタントメッセージング(IM)機能をオンライン製品に追加するための新しいWeb開発プラットフォームを発表することでライバルのGoogleとYahoo!に近づこうとするだろう。

 9月13日から始まる同社の開発者会議Professional Developers Conference(PDC)では、API一式が発表される予定だと同社は話している。

 アナリストの調査によると、MicrosoftはWeb検索市場においてGoogle、Yahoo!に大きく水をあけられて3位に付けている。同社のMSN部門はこれら2社に追いつこうと、新しいWebベースの製品とサービスを熱心に開発し、リリースしてきた。特にGoogleに照準を合わせ、Microsoftはオンライン検索やマッピングなどのサービスを投入している。

 最近MSNがこの分野でリリースしたのは、「Google Maps」に似たマッピングサービス「Virtual Earth」のβ版だ(7月25日の記事参照)。これらサービスはいずれも、ユーザーが企業を住所などから検索し、市街地図と衛星写真を利用できるようにする。またMicrosoftは6月に、Googleに対抗するためMSN Searchエンジンを大幅刷新したが、ユーザーの間ではまだ広く利用されるには至っていない。

 Microsoftは従来、同社製品をサポートし、採用を拡大する強力な開発コミュニティーを有していた。新しいMSN APIにより、同社はライバルに追いつかなくてはならない分野で前進するために、このコミュニティーを活用しようとする可能性が高いと調査会社Hurwitz & Associatesの共同経営者リッキ・カーツナー氏は語る。

 カーツナー氏は、Microsoftが来週のPDCで、かつてプロプライエタリだった技術をこれまでにない方法で開発者に開放する発表をほかにも行うと予測している。「Microsoftが取っているたくさんの措置は、同社が自身よりも顧客と開発者に多くの恩恵をもたらせるやり方で開発問題を解決する方法を真剣に考えていることを反映している」

 Microsoftが来週開発者に公開するMSN APIには、開発者にWeb検索などの機能へのアクセスを提供するMSN Web Search APIが含まれる。

 MicrosoftはMSN Virtual Earthβ版のAPIも公開し、サードパーティーがこのツールを使って商用アプリケーションを構築できるようにする。このAPIを通じて、企業は売上シェアリングモデルで自社のサイトに広告を掲載することで収益機会を手にする。これについては後日、Microsoftが詳細を解説する。

 来週にはMSN Messenger Activity APIも公開される。このAPIを使うと、開発者はMSN Messengerの拡張機能として利用できるアプリケーションを開発し、ユーザーが友達リスト上の人々ともっと多くの方法で通信できるようにすることができる。またMicrosoftは「MapPoint Web Service 4.0」も発表する。同製品は、新しいマッピング機能、カバー範囲と言語サポートの拡大などのMapPointのカスタマイズオプションを提供する。

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