9月29日に共同持ち株会社「バンダイナムコホールディングス」を設立するバンダイとナムコが9月13日、経営戦略を発表した。新会社の傘下に5つの事業ユニットを設置し、ユニット毎に自律して戦略を策定する。ゲーム部門は統合新会社「バンダイナムコゲームス」に移行する(関連記事参照)。
「両社の一番の強みはコンテンツ」――バンダイナムコホールディングス社長に就任予定の高須武男バンダイ会長はこう強調し、両社のコンテンツ資産をさまざまなプラットフォームに横展開していく方針を改めて示した。海外展開も積極的に進める方針だ。
バンダイナムコホールディングス傘下の事業ユニットは、ゲームソフトを手がける「ゲームコンテンツ」、携帯電話向けコンテンツを開発する「ネットワーク」、おもちゃ事業を行う「トイホビー」、ゲームセンターなどを運営する「アミューズメント施設」、アニメ事業などを行う「映像音楽コンテンツ」の5つ。各ユニットで自律的に戦略を立て、スピーディーな経営を目指す。
新体制移行に向け、事業再編を進める。12月1日に国内事業会社を再編。来年1月1日に北米の組織を再編し、持ち株会社「Namco Bandai Holdings USA」を設立する。同4月1日には、国内ゲーム事業を統合してバンダイナムコゲームスとする。
バンダイナムコゲームスは、バンダイ、ナムコそれぞれのゲーム部門の人員約1400人をまるまる受け入れる。バンプレストは別会社として存続し、必要に応じて協力し合う。
企画をメインとしていたバンダイのゲーム部門と、開発まで手がけているナムコのゲーム部門を融合。次世代機向けゲームの開発を進めるほか、アーケードや携帯ゲーム機、家庭用ゲーム機など、ハードの壁を越えてコンテンツを共有できる開発体制を築く。海外展開も強力に推進し、ゲームソフトの世界シェアトップを目指す。
バンダイ、ナムコそれぞれが保有している携帯電話のコンテンツ部門は、当面は統合しない。「携帯分野は変化が大きく、何が起きるか分からない状況。整理・統合するとチャンスを取りこぼしてしまう可能性がある」(高須会長)。リッチコンテンツの確保や顧客の囲い込みに力を入れるといった基本方針は共有しつつ、別々に運営していく。
少子化に直面するおもちゃ分野は、開発・生産体制を見直して効率化を進め、海外展開を促進する。キャラクターを使ったアパレル事業も強化。M&Aを含めた事業拡大も視野に入れる。アミューズメント施設はローコスト運営を推進。欧米の施設の収益モデル確立を目指す。
映像・音楽コンテンツ分野は、コンテンツのマルチユースや海外展開を進め、事業ドメインを積極的に拡大する。
バンダイナムコグループの今年3月期の連結売上高見込みは4750億円、営業利益は442億円。今後も順調な伸びを見込んでおり、2006年3月期は売上高5000億円、営業利益500億円を、2007年3月期は売上高5500億円、営業利益550億円を目指す。「両社がシナジー効果を発揮すれば、十分に達成できるハードルと思う」(高須会長)
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