ポータブルPCの世界を席巻すべく、デュアルコアプロセッサを搭載したノートブックが集結しつつある。今年初め、デスクトップやサーバで始まったデュアルコアへの移行は、Intelが来年1月、新しいプロセッサの出荷を開始することで軌道に乗る。
現在、Intelのデュアルコアプロセッサ向けにノートブックをデザインし、テストしているコンピュータメーカーは、最初のデュアルコアモバイルPentiumプロセッサである「Yonah」と、「Napa」と呼ばれる新しいノートブック向けプラットフォームの組み合わせは、シングルコアのPentium Mチップと比べ、劇的な性能向上をもたらすと話している。しかも、バッテリー駆動時間において不利になることもないし、ハードウェアを大幅に変更する必要もないという。
1月に登場する予定のYonahとNapaの組み合わせは、このように、デザイン面での大幅な変更を強いることなく、高い性能をもたらすようだ。プロセッサの世代交代としては、珍しいことだ。
YonahとNapaの組み合わせでは、大幅な価格アップを余儀なくするということもない。こうしたことから、ノートブックの領域でもデュアルコアへの迅速な移行は進むとみられている。
「YonahとNapaは、既存の薄型軽量システムにかなり大幅な性能向上をもたらしてくれるだろう」と話すのは、LenovoでThinkPadブランドのプログラムディレクターを務めるロブ・ハーマン氏。
「ThinkPadブランドの立場からしてみれば、Intelが提供するパワーと性能を引き出し、薄型で軽量のパッケージに統合する能力について、われわれは自負心を持っている。したがってわれわれの顧客は、YonahとNapaの性能を得るのに何ら犠牲を強いられることはない。同じタイプのパッケージにデュアルコアを搭載して提供できるという点では、二重のボーナスだとみている」(ハーマン氏)
もちろん、得られるパフォーマンスは、デュアルコアノートブックで稼動させるソフトウェアの種類によってさまざまだ。
ノートブックでよく使われるアプリケーションでマルチプロセッシングに最適化されているものはほとんどない。しかし、同時に数本のアプリケーションを走らせ、複数の仕事をこなすノートブックの利用者は、それらの仕事を容易に割り振ることのできるデュアルコアマシンから、きびきびした性能を体感するだろう。
モバイルPentium IIIからPentium 4 Mへの移行といった過去のノートブック向けプロセッサの移行が大幅な再設計を奨励したのに対して、Yonahへの切り替えはそうではなさそうだ。Yonahの消費電力は最大で約30ワットであり、現在最速のシングルコアPentium Mの約27ワットとほとんど変わらない。このため、ノートブックの大幅な改良の必要はないという。
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