ITmedia NEWS >

半導体検出器によるPET技術、日立が初の実用化

» 2005年09月29日 21時12分 公開
[ITmedia]

 日立製作所の電力・電機開発研究所はこのほど、陽電子断層撮影法(PET:Positron Emission Tomography)で半導体検出器を使う方式を世界で初めて実用化し、北海道大学と共同で実施した動物試験に成功した。

 PETは、体内に投与した薬剤から放出されるガンマ線を検出することでがんや脳疾患などの診断が可能な技術。現在の装置では、ガンマ線をいったん光に変換してから光電子増倍管を通して電気信号に変換する。この方式だと原理的に分解能に限界があり、5ミリ以下の腫瘍の検出は難しい。

 半導体検出器は、体内から放出されるガンマ線を直接、電気信号に変換する。このため分解能が高く、微小な病巣の発見が可能になるという。北大との共同試験では、ラットの3ミリ程度の腫瘍をとらえ、化学療法で腫瘍が縮小していく経過をミリ単位で観察できた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.