パイオニアは、空中に浮かんだ立体映像を手で操作できる「フローティングインタフェース」を公開した。3D映像を実際に“いじれる”ような臨場感が特徴だ。
2002年に開発した「3Dフローティングビジョン」技術をベースにした(関連記事参照)。ディスプレイの手前に、多数のレンズを密集させた「3Dレンズ」パネルを配置し、ディスプレイの映像をレンズ手前の空間上に結像させることで、飛び出しているような立体映像を表示する仕組みだ。
従来はディスプレイのサイズが6インチ程度に限られていたが、試作品では15インチに拡大することに成功した。
このディスプレイに、指などの位置を検知するセンサーを組み合わせたのが「フローティングインタフェース」だ。映像が結像する空間付近での指の動きを感知できるセンサーを設け、指の位置データを描画用PCでリアルタイム処理することで、指の動きに合わせて立体映像を変化させる。このため、まるで実際に映像を手でいじっているように操作できるというわけだ。反対に、空間に絵や文字を描くことも可能だ。
同社ブースで公開したデモ機では、空中に浮かんだウインドウを指を使って自在に動かしたり、ウインドウの隅を指でドラッグしてサイズを変更するなどの操作を体験できる。指で押さえた部分はへこむなど、リアル感を高める細かな処理も施されている。また、滝の映像に指を突っ込むと、指と映像が交わった部分で水しぶきが上がる──といったインタラクティブ映像も楽しめる。
指の位置は平面座標(XY)として検出しているが、奥行き情報を追加することも可能だという。同社が自社製品に組み込むといった計画はないが、博物館の体験型映像展示やゲーム、広告といった用途に加え、PC用の新しいユーザーインタフェースへの応用なども期待している。
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