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コラム
» 2005年10月05日 14時25分 公開

SunとGoogleの発表にはがっかりだ

多くの人が「Google Office」を期待した。だが、ふたを開けてみれば――SunとGoogleの提携は、ニュースなんかじゃない。

[Steven J. Vaughan-Nichols,eWEEK]
eWEEK

 ソフト関連の提携発表が、これだけ騒ぎになったことは長らくなかった。

 発表の席には、世界で最も人気の高いオープンソースオフィススイートを擁するSunがいた。Microsoftと差しで勝負して勝てるほどのビッグなIT企業、Googleも参加していた。

 彼らが一緒に会見するのは初めてだ。

 エリック・シュミット&スコット・マクニーリー vs. 悪の帝国の支配者ビル・ゲイツ&スティーブ・バルマーの金網タッグデスマッチだ。勝者はデスクトップを手に入れる。

 この話題はSlashdotで取り上げられ、「Sun、Google Office」に関するブログエントリは6000件以上に上った。一部の記者――ありがたいことにわたしの仲間ではない――は、これを既に決まった話として書いた。

 では、わたしたちはStarOffice 8ベースのGoogle Officeを手に入れたのか――あるいはOpenOffice.org 2.0ベースのGoogle Officeか、Java Desktop Systemベースの有料のGoogle Officeだろうか?

 そのいずれでもなかった。

 わたしたちが手にしたのは、「Java Runtime Environmentのコンシューマー向けダウンロードでオプションとして提供されるGoogle Toolbar」だった。

 それに「両社はJava Runtime Environmentと……OpenOffice.orgなどのSunの技術を推進し、強化する機会を模索することで合意した」のだそうだ。

 もしもわたしがこの会見の場にいたら、OpenOffice 2.0を終了し、SUSE Linux Pro 9.3をシャットダウンして、ノートPCを閉じて帰っただろう。

 これはニュースなんかじゃない。

 だが、これに関して1つ興味深いことがある。人々――たくさんの人という意味だ――は本当に、SunとGoogleがWebベースのオフィススイートを提供することを望んでいたということだ。

 これはまったく目新しいアイデアではない。

 Citrixなどの企業は何年も前からそうしたビジネスでちょっとした生計を立てている。そのずっと前から、IBMやDECなどは、ユーザーにメインフレームや小型のオフィスシステムを使わせていた。

 正直言って、わたしはこれまでこうしたアイデアをあまり気にしていなかった。PCで重要なのは、ユーザーがコントロールを持ち、アプリケーションをより早く実行するデスクトップにアプリケーションを実行するパワーを搭載することだったからだ。

 わたしは今もだいたい同じスタンスだ。Salesforce.comなど一部の特殊なアプリケーションなら、そうしたASP(アプリケーションサービスプロバイダー)モデルはうまくいく。

 そうはいっても、オフィススイートがそのやり方でうまく機能するという見方には納得できない。インターネットを介したCitrix MetaFrameのようなシステムは、ネットワークに何か起きた場合、あまりにも動作が遅くなる傾向がある。

 どうやればGoogle Officeがこの基本的な問題を回避できるのか、わたしには分からない。わたしとしては、ブロードバンド回線がどれだけ高速化し、価格が手ごろになるかは気にしない。ブロードバンドはCPUとメインメモリをつなぐバスの速度にはとても及ばないからだ。

 だが、それでも人々はGoogle Officeの実現を望んでいた。

 一部の人はまだ、4日の発表には目に見える以上の意味があるという希望をまだ持ち続けている。

 友よ、それはあり得ない。

 わたしたちの多くは、十分な機能を持ち、Googleのような強力な企業に支えられたオフィススイートが、いつかMicrosoft Officeと互角の戦いをすることを望んでいるかもしれない。だが、その日はまだ来ていない。

 まったく、嫌になる。

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