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「P2P匿名化ソフト」うたってスパイウェア配信の業者摘発

» 2005年10月06日 08時30分 公開
[ITmedia]

 P2Pのファイル交換が匿名になるとうたった無料ソフトでユーザーをおびき寄せ、スパイウェアやアドウェアをこっそりインストールしていた業者に対し、米連邦取引委員会(FTC)は10月5日、恒久禁止命令を言い渡すようニューハンプシャー地区米連邦地裁に申し立てたと発表した。

 摘発されたのはOdysseus Marketingと経営者のウォルター・ラインズ氏。FTCによれば、「恐れることなく音楽をダウンロード」「レコード会社を勝たせるな」といった広告で無料ソフトのダウンロードを呼び掛けていた。

 しかしFTCによれば、このソフトを使ってもファイル交換が匿名になることはなく、「Clientman」というスパイウェアが付いてきて別のソフトをこっそり大量にダウンロードしてしまい、コンピュータのパフォーマンス低下を招くという。

 こうしたソフトはユーザーのコンピュータから情報を引き出して外部に送信したり、ポップアップを表示させたりするほか、ユーザーがGoogleやYahoo!で検索しようとすると偽サイトを表示し、検索結果ではOdysseus Marketingの顧客サイトが真っ先に表示されるようになっていた。

 同ソフトは標準的なソフトユーティリティでは削除できず、インストールツールも機能しないという。こうした行為は不公正かつ詐欺的で連邦法違反に当たるとFTCは指摘。同社に対し恒久禁止命令を言い渡すよう、裁判所に求めている。

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