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IBM、初のデュアルコアXeon「Paxville」サーバ発表へ

» 2005年10月07日 14時31分 公開
[IDG Japan]
IDG

 IBMは10月10日、IntelのデュアルコアXeonプロセッサ(コードネーム「Paxville DP」)立ち上げに併せ、初の同プロセッサ搭載64ビットサーバ2機種を発表する。年末までのプロモーションの下、IBMはこの新サーバのうち1機種を、シングルコアの旧モデルと同じ価格で販売すると同社幹部は話す。これはユーザーに、早い内にデュアルコアコンピューティングを採用するさらなる動機を与えることが目的だ。

 デュアルコアコンピューティングでは、コストと発熱を減らす手段として、2個のCPUを1片のシリコンに搭載する。またデュアルコアプロセッサは処理能力を要するタスクを別々に処理するため、マルチスレッドアプリケーションのパフォーマンスを向上させる役に立つ。

 「デュアルコアは未来だ」とIBMのシステム&テクノロジー部門でxSeriesとIntelliStationを担当するディレクター、アレックス・ヨスト氏は10月6日、電話取材に応えて語った。「ドル当たり、ワット当たりで最高のパフォーマンスを提供する。われわれは顧客がデュアルコアを利用できる製品に乗り換えると確信している」と同氏。来年末までには、市場のサーバのほぼ100%に2ウェイおよび4ウェイデュアルコア技術が使われるだろうと同氏は予測している。

 デュアルコア2ウェイxSeries 346は2Uラックサーバで、価格は2969ドルから。旧モデルのシングルコアxSeries 346と同じ価格だとヨスト氏。

 同氏によると、このサーバは10月半ばに、2.8GHzのデュアルコアXeonと2GバイトのDDR2メモリを搭載して出荷開始される。このサーバは最大16Gバイトのメモリをサポートする8基のメモリソケットと、4基のPCIスロットも備える。RAIDとシステム管理カードも備えるという。

 もう1つのモデルであるデュアルコアxSeries 336は1Uラックサーバで、同じく2.8GHzのデュアルコアXeonを搭載する。BIMはこのモデルを11月に出荷する予定で、詳しい仕様や価格はそのときに明かされるという。

 いずれのサーバもIBMが2004年8月に導入した「eXtended Design Architecture」設計を基に構築されている。この設計の目的の1つは、デュアルコアコンピューティングの要望に応えることにあった。この設計にはサーバ内の冷たい空気の流れを最適化するIBMの「Calibrated Vectored Cooling」技術が含まれる。

 デュアルコアコンピューティングに関して言うと、Intelは市場へのプロセッサ投入においてライバルのAMDに大きく後れを取っている。Intelは10日に、マルチコアXeonプロセッサ(コードネーム「Paxville MP」)についても話す予定だが、同プロセッサへのサーバベンダーからのサポートの発表はないという。

 Intelは8月、Paxville DPおよびMPの開発が予定より早く進んでおり、当初の2006年の立ち上げ予定より早く、年内にこれらプロセッサを投入できることを明らかにした(8月16日の記事参照)

 Intelのフロントサイドバス(FSB)設計――アナリストは、Opteronと比べたときにこれが性能の足を引っ張る可能性があると示唆している――など、「(AMDの)Opteronが今後も引き続きXeonを上回る分野は幾つかある」とヨスト氏。「Paxville DPはIntelにとって大きな前進だ」

 Hewlett-Packard(HP)も10日にデュアルコアXeon搭載ProLiantサーバを発表する。Dellは既に、今月前半にデュアルコアXeon搭載のサーバ、ブレード、ワークステーションを出荷することを明らかにしている(9月27日の記事参照)

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