Googleは10月19日、英国でWebメールサービスの名称を変更したことを明らかにした。今後、英国の所在を示すIPアドレスからメールアカウントに登録する場合は「@gmail.com」ではなく「@googlemail.com」のアドレスが提供される。
Google広報のエマ・リナカー氏によれば、この変更により、英国でGmailの商標をめぐり別の会社と係争中の問題について、新規ユーザーが心配しなくて済むようになる。Googleは5月にドイツでも、同国の企業との商標論争を受け、新規ユーザーに対して同様の変更を行っているとリナカー氏。
同氏によれば、Gmailの権利を主張していたドイツの企業は既に同国で商標を登録済みだったため、Googleは裁判の期日を待たずに変更を行った。
しかし、ロンドンの金融調査会社Independent International Investment Research(IIIR)の場合は事情が異なる。同社はまだ商標を申請中で、その結果が出るまでは英国でのGoogleの名称使用に対して法的に異議を唱えることはできないと、IIIRのシェーン・スミス会長兼CEOは説明する。
IIIRはGoogleがGmailサービスのβ版を立ち上げた数日後の2004年4月に米国でGmailの商標登録を申請し、続いてその年に欧州連合(EU)でも申請を行った。米国での商標申請当時、IIIRはThe Market Age(TMA)の名称で知られていた。
スミス氏によると、TMAはこの名称を2002年以来、金融情報製品「Graphiti」を電子メールで届けるサービス用に使っている。Graphitiはグラフにアナリストのコメントがテキストで付いた形で情報を提示している。
リナカー氏によれば、当面の間、英国とドイツの既存のGmailユーザーには何の変更もないという。新規ユーザーでも「@gmail.com」のアドレスに送られた電子メールを受け取ることができる。これはGoogleがgmail.comとgooglemail.comのドメインで同じスペースを使っているためで、例えばa@gmail.comの名称を登録すれば、a@googlemail.comのアドレスも確保される。英国とドイツ以外でも、a@gmail.comとa@googlemail.com宛てに送られたメールは同じ受信箱に届く。
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