これらチップはSun専用のものではなく、また同社が必ずしも他社よりも早くAMD技術にアクセスできるわけではない。しかしAMDがSunと築こうとする関係は、同社が目指す将来の方向性の長さを示すものだ、と幹部陣は言う。
「大きな視野で将来を見据えたとき、私たちが今していることは、Sunなどの企業が伝えてくれることの実践だ。とりわけSunの声は特にAMD社内に大きく伝わる。したがって出来上がったシリコンには、そもそもSunが描いていたものがほぼ反映されることになる」(マイヤー氏)
しかし実際のやり取りは、SunがOpteronに追加して欲しい機能リストをAMDに渡すだけでない、それよりもずっと有機的なもののようだ。両社のエンジニアは日常的に行き来しながら、正式なレビューを数カ月に1度の割合で実施する。AMDは既に大半のSun製品の設計をレビューしており、現在はGalaxyの後継製品をテスト中だとフォウラー氏は説明した。
フォウラー氏としては、AMDが引き続きOpteronにおける消費エネルギー1ワット当たりの性能を向上させることに期待しているという。
「AMDはそれに取り組んでいると思う。私たちが彼らのチップ設計作業そのものに手を出すことはない。だがAMDには、『これらの機能は長期的にこの分野で非常に役立つ』ということは伝えている」(フォウラー氏)
AMD側は、Opteronの後継チップを含む将来チップに関するSunのアイデアを取り入れていく考えだとマイヤー氏は話している。
「基本的な作業プロセスは、AMDプロセッサ製品の特殊設計に携わっているAMDエンジニアの1人が行う。ただし彼らはSunのエンジニアから、メモリコントローラ機能や将来的なHypertransport機能といった実質的なインプット――特にシステム設計に影響を及ぼす機能に関する――を受ける。当社は設計を手掛けるが、Sunのインプットに基づいて行う。これが基本モデルだ」とマイヤー氏は説明した。
Sunは性能、エネルギー効率、信頼性、保守性、そしてメモリなどを重視している、とフォウラー氏は強調した。
「当社は既に向こう2〜3年先に登場するプロセッサ設計に関するアドバイスを行っており、積極的に関わっている」(同氏)とも。
AMDがSunの話を熱心に聞き入れているのは、目指す目標が似ているからだ。AMDはサーバの市場シェアの拡大とx86チップの出荷量を全体的な引き上げをもくろんでいる。第2四半期中のx86サーバチップのシェアは約10%強。いずれは30%あるいはそれ以上に拡大したい、とマイヤー氏は語った。
「x86分野では(AMDが)最良のテクノロジーを提供する企業として知られることを目指しており、またエンドユーザーや顧客の要求に基づくテクノロジー構築でいかに素晴らしい仕事をしているかについても知って欲しい」(同氏)
Sunも同じような野心を抱いている。1000ドルを切るシングルプロセッササーバから、ハイエンドアプリケーション向けの大型マルチプロセッサマシンに至る広範な品揃えで売り上げの増強を図りたい考えだ。
「これから特に興味深くなるのは、8ソケット(サーバ)に移行するに当たり――現在はIntelのみがItaniumで移行しているが――総じて、AMDが極めて健闘できるであろう市場がそっくり存在することだ」(フォウラー氏)
Sunは8ソケットのSun Fire Opteronを、近い将来Galaxyシリーズの一部として投入する計画だとしている。
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