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「素晴らしいチップを手に入れた」 SunとAMDのトップが「Galaxy」ひっさげ来日

» 2005年09月16日 15時34分 公開
[ITmedia]

 米Sun Microsystemsのスコット・マクニーリ会長兼CEOと米AMDのヘクター・ルイズ会長兼CEOがそろって来日し、9月16日、Opteron搭載サーバ「Galaxy」(開発コードネーム)を都内で披露した。マクニーリCEOは「AMDとともに市場シェアのゲームを仕掛ける」と宣言、Solaris、Linux、Windowsに対応できる高性能で安価なx64サーバとして売り込んだ。

SunのマクニーリCEO(左)とAMDのルイズCEO

 発表したのはラックマウント型サーバ「Fire X4100」「Fire X4200」「Fire X2100」と、タワー型ワークステーション「Ultra 20」。X4100/4200はシングルコア・デュアルコアOpteronを最大2基搭載できる。

photo Galaxy製品

 価格は、X4100が27万7000円(税別)から、X4200が32万7000円(同)から。デュアルコアOpteron×2基を搭載したX4100は、Xeon MP×4基を搭載した他社サーバと比べ3分の1程度の価格だとしている。

 「SunがSPARCで培ったエンタープライズ向けノウハウをすべて注ぎ込んだ。RAIDやリモート管理など、他社のオプションはすべて標準搭載した。Solaris 10がプリインストールされており、価格的にも優位」(サン・マイクロシステムズの杉本博史マーケティング統括本部長)

「4ソケット、8ソケットの製品も開発中だ」

 Galaxyは、Sun創業メンバーで2004年に同社に復帰したアンディ・ベクトルシャイム氏のチームが設計を手掛け、米国では12日に発表した。会見したマクニーリCEOは「最高の人材が帰ってきた」と喜ぶ。新製品効果で、x86サーバの売り上げは前年比2倍以上を見込む。

 マクニーリCEOは「新製品は顧客により多くの選択肢を提供する。SolarisとLinuxに対応する上、Microsoftとも直接サポート契約を結び、パッチを当ててアップデートした最新のWindowsをOpteronサーバ上で利用できるようにした」と話し、「HP-UXやAIXなど、x86未対応のUNIXはボリュームゾーンをカバーできず、厳しい状況になるだろう」と自信を見せた。

 プレゼンテーションであえて製品を比較して見せたように、最大のライバルは米Dellだ。GalaxyはOpteronを採用したことで、省電力化や省スペース化、コストパフォーマンスなどでDell製品を上回ったとマクニーリCEOは胸を張る。DellがIntaniumサーバから撤退するとの報道を受け、「Dellはハイエンド向けはどうするのか?」と疑問を呈する。「DellはAMDの波に乗るべきだ」

 AMDのルイズCEOは「Galaxy製品の一部分になったことは非常に光栄だ。AMDは単なるサプライヤーとしてではなく、開発でも互いに協力してきた。Sunのチームにはわれわれも大きな影響を受けた」とSunをたたえた。「SunはSolaris、Linux、Windowsをすべてサポートする唯一のサーバベンダー。SolarisとOpteronの“結婚”は、世界中から『素晴らしい』と言われている」と胸を張った。

 両社の蜜月関係は、会見で両CEOが見せたこんな掛け合いにも現れている。

マクニーリ「先日のデュアルコア挑戦状、Intelからの返答はありました?」

ルイズ「……………」

マクニーリ「? 私の話、聞いてる?」

ルイズ「…………沈黙、ということです。Intelからは答えがなかった(笑)。事実上勝ったということです」

マクニーリ「Sunは素晴らしいチップを手に入れた。これはわれわれにとって非常に強力なパートナーシップだ」

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