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» 2005年11月09日 19時36分 公開

楽天・三木谷社長「あせりはない」 第3四半期は好調

楽天の実質の有利子負債は1840億円に拡大したが、財務状況に不安はないとし、TBS問題は長期化も覚悟したようだ。一方、楽天グループの業績は好調だ。

[ITmedia]

 楽天の三木谷浩史社長は11月9日、同社の2005年第3四半期(7〜9月期)連結決算の発表会で、東京放送(TBS)株式取得関連で有利子負債が増加したことについて、「配当収入が借り入れ金利を上回っている」として財務基盤に不安はないと話した。

photo 第3四半期決算を発表する三木谷社長

 金融事業を除く第3四半期の連結貸借対照表によると、自己資本とその他負債合計872億円に対し、有利子負債は1005億円。さらに10月以降、有利子負債は835億円増えた。

photo 楽天の連結B/S。金融事業のB/Sは特殊なため、それ以外の事業とは分けて表示している

 楽天は10月中旬までにTBS株式の19.09%を約1110億円かけて取得した。取得費の多くを借り入れでまかなったと見られるが、三木谷社長は「金利が低い上、購入したのは市場性有価証券であり、配当収入のほうが金利負担より多いため、問題はない」と述べた。増資案を断念した、との報道に対しては「マーケットが絡むのでコメントは控えたい」(国重惇史副社長)とした。

 TBS問題が表面化した直後に出演したテレビ番組では「あんまり悠長なことも言ってられない」と短期決着を目指す方針を示唆していた三木谷社長だが、既に経営統合の申し入れから1カ月がたとうとしている。三木谷社長は「1カ月あれば人間、忍耐度も出てくる」と苦笑し、あせりは「全然ないですね」と話した。

楽天KC連結化で大幅増収増益

 こう着気味のTBS問題に対し、楽天の業績は好調だ。第3四半期連結決算では、同期から連結に加わった楽天KC(旧国際信販)が貢献し、売上高は452億円、経常利益は130億円とそれぞれ前年同期比約4倍になるなど、大幅な増収増益を達成した。

 第3四半期までの累計でも売上高810億円(前年同期比155.7%増)に対し、純損益は前年同期の164億円の赤字から112億円の黒字に転じている。

楽天2005年3Q 金額 前年同期比 2Q比
売上高 452億円 +308.5% +122.7%
営業利益 125億円 +277.4% +100.9%
経常利益 130億円 +278.4% +90.6%
純利益 60億円 +40.7%


photo 各部門の連結業績。経常利益は連結調整勘定を控除した額

 EC事業では、「楽天市場」の店舗から個人情報が流出する事件があったが、影響は若干にとどまり、流通総額は微増ながら801.5億円に拡大。新規出店の純増数は1424店と過去最高になった。

 楽天KCの連結子会社化でクレジット関連事業が大幅に拡大した上、新規発行カードが13万9000枚と前四半期から45%増となるなど、相乗効果も上がってきた。証券事業は株高をを追い風に、営業収益、利益とも大幅増となった。

 期初に掲げた将来目標「営業益・経常益とも1000億円」に向けた布石も打っている。NTTドコモとオークション事業で合弁会社を設立するほか(関連記事参照)、アフィリエイト広告大手の米Linkshareの買収を完了(関連記事参照)。「世界一のメディア企業という遠い道のりに向けた第1歩」(三木谷社長)として10月には国際事業本部を新設した。

 東北楽天ゴールデンイーグルスを運営するプロスポーツ事業は、単体で5000万円程度の黒字になる見込みだ。

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