ヤフーは、「Yahoo!オークション」の不正利用を防止するため、データマイニングを応用した不正利用検知システムを12月中に導入する。過去の利用データの蓄積から不正利用者の行動をモデル化し、不正が疑われる出品を効率的に抽出できるという。
Yahoo!オークションは、今年10月時点で月間平均総出品数が881万件、会員ID数が569万に上るネットオークション国内最大手。1日平均16.7億円の取引が行われる一方、ニセブランド品や改造エアガンなどの違法出品、詐欺目的の架空出品といった問題も跡を絶たない。
このため不正ID登録の防止対策などに加え、同社専任スタッフ延べ約150人による24時間チェックや、知的財産権者との連携による不正出品の削除も実施してきた。同社によると今年上半期、新規出品件数に対する削除率は1.7〜3.3%。一方、落札個数に対する詐欺被害件数は0.009〜0.013%だった、という。
不正利用検知モデルの導入は、監視体制を効率化・高度化し、被害を未然に防ぐのがねらい。データマイニング技術を応用し、出品者の行動パターンを分析。モデル化した不正利用者の行動パターンと一致する出品を自動的にピックアップし、スタッフが実際に出品を確認する。不正が疑われた場合は出品を削除する──という仕組みだ。
例えば、普段は低額商品の落札ばかりで出品経験がないユーザーが突然ノートPC 30台を出品した場合、「他人によるIDの不正利用」「高評価を得る偽装工作をした上で詐欺出品」の可能性が高い、と判断する。「スタッフの経験でやってきたことを数値化する」(同社)ことで、監視の効率アップと高度化を図っていく。
導入には1億円を投じ、12月中にも簡易型の稼働を始める予定。データマイニング技術は、金融分野の数理分析やシステム開発を手掛けてきた金融エンジニアリング・グループ(東京・港区)が協力した。
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