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» 2005年11月25日 15時58分 UPDATE

サンフランシスコ市内の一部地域でWi-Fi無料サービスを提供開始

Googleも名乗りを挙げているサンフランシスコ市の無料Wi-Fiサービスで、ネットワーク機器メーカーMetroFiが一足先に市内3カ所にホットゾーンを設置した。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米カリフォルニア州サンフランシスコでは、市全域に無料の無線インターネットアクセスを提供するという計画案が論争の的になっているが、市内一部地域の住民やビジターは市の承認を待つことなく同サービスを受けられることになった。

 ワイヤレスメッシュネットワーク機器メーカー、米MetroFiは、サンフランシスコ市内に3カ所の「ホットゾーン」を設け、現在利用可能だと11月22日明らかにした。同社のチャック・ハースCEOによると、同社は4月に開始されたRFPと呼ばれる提案要望手続きを通じて、これらのゾーンを設定する権利をサンフランシスコ市から付与されたという。

 同市はこのほかにも、市全域を網羅する無料の無線インターネットサービスに向けたRFPの準備を進めている。このプロジェクトは、米国における市営無線サービスに向けた最も広く知られる計画の1つ。とりわけ米Googleがそうしたネットワークを、位置情報に基づく広告収入を通じて市に無料で提供・サポートする提案をしたことから知られるようになった。ただ、行政がインターネットアクセスサービスに関する権限を持ったり助成することに対しては、一部キャリアや議員から不公正かつ不得策な公共資源の利用だとの声が上がっている。

 MetroFiは、市全域を網羅するネットワークの提供を申請している企業の1つであり、現在提供している3つのホットゾーンをサポートするバックボーンも市レベルのサービスに使う予定だ、とハース氏は話している。ただ今回のホットゾーンが無料かつオープンであるのに対し、MetroFiが計画中の市レベルのネットワークは広告でまかなわれ、セキュリティ規格としてWPA(Wi-Fi Protected Access)が採用されるという。

 3つのホットゾーンはシビックセンター周辺、サンフランシスコベイのフェリービルディング周辺、そして金融街にあるポーツマススクエアの3カ所に設置されている。ハース氏の説明によると、これらのネットワークがカバーする範囲内にいる人なら誰でも、「SF TechConnect」のSSID(Service Set ID)を指定して利用することができる。使用に関するポリシーを表示するスプラッシュスクリーンが表示された後に「同意」ボタンをクリックする。このポリシーは違法目的にネットワークを利用しない規約を含むごく基本的なものだとハース氏は語っている。

 ホットゾーン内のアクセスポイントは、主に市が所有する街灯に設置され、電話回線には直接接続されない。個々のアクセスポイントでは無線LAN規格としてWi-Fiに接続するユーザー用に「IEEE 802.11b/g」と、ほかのアクセスポイントとのリンク用に「IEEE 802.11a」改良版の2つが採用され、メッシュが形成される。このメッシュ全体のバックホール(無線LANからインターネットへの接続)は、シビックセンターから直線距離で約2マイル(約3.2キロメートル)離れた丘の上のアンテナまで36Mbpsの転送速度となる。アンテナからは、市内のインターネットポイント用に設置されている光ファイバーにフィードされるとハース氏は説明している。

 市全域を網羅するネットワークですべてのアクセスポイントにリース回線を採用するのはコストが掛かり過ぎる、とハース氏は言う。

 「これは、市内1500近くのアクセスポイントに導入するためのアーキテクチャだ。1500ものT1を管理するのは気が遠くなる仕事だ」(ハース氏)

 MetroFiはIEEE 802.11b/gが使われる2.4GHz帯での無線干渉を認識しており、このためエンドユーザーには1Mbps以上を約束しないとハース氏は話している。

 広告でまかなう市レベルのネットワークでは、MetroFiは無料ダイアルアップサービスの提供とともにユーザーが同サービスを利用している最中に画面に表示される形式の広告を販売していく。サンフランシスコ市は、今月末までにこのサービスのRFPを設けるとしている。

 MetroFiはシリコンバレーのサニーベール市とクパチーノ市で、既に市レベルの無線ネットワークを運営している。ハース氏によれば、これはあくまでも商業契約であり、ほかのキャリアと同様に運営権利に対して料金を支払っているという。ただ、市が支援する無線サービスは市職員のためのリソースと見るべきだと同氏は強調した。1Mbpsあるいはそれ以下の転送速度でも、CDPD(cellular digital packet data)といった行政府が採用している従来の無線システムよりは速いという。

 「これは、さまざまな利用方法が入り交じっていてこそ真価が生まれる。市全域サービスと引き換えに、市が持っている資産を提供することは理にかなったことだ」(ハース氏)

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