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» 2005年12月02日 17時27分 UPDATE

独CeBIT、ライバルのコンシューマー向け展示会との競争激化

来年3月にドイツで開催されるCeBIT 2006の会場には、常連だったPhilipsやソニーのブースはない。それでも主催者は、来年もいっそう盛況となるだろうと語っている。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 最近一部の主要出展社の撤退が見られる独CeBITだが、この世界最大のプロフェッショナルIT&エレクトロニクスの展示会は2006年にさらに拡大する、と運営企業は語った。

 毎年3月に独ハノーバーで開催されるCeBITは、今年30万7708平方メートルの会場を6246の出展社が埋め尽くし、47万4082人の来場者を動員した。来年は31万2500平方メートルの会場に6350の出展社を見込んでいる、とCeBITを運営するDeutsche Messeのスウェン・プリュセル氏が11月30日に語った。

 しかしながら、今年は電機・家電メーカーのオランダKoninklijke Philips Electronicsが競合の展示会に鞍替えしたり、最近ではソニーと携帯通信企業のE-Plus Mobilfunkが 2006年のCeBITへの出展取りやめを決定するなど、CeBITが問題を抱えているとの憶測が飛んでいる。

 さらに12月1日、ネットワーキングベンダーの米Cisco SystemsもCeBITから撤退するとの報道が流れると、この憶測はさらに広まった。

 もっとも、少なくともこの報道に関しては早まった情報であることが分かった――CiscoのB2B部門は来年のCeBITに出展しないが、この場所には同社のコンシューマー部門であるLinksysが、Ciscoに買収されて以来初めて独立した自社ブースを構えることになる、とCiscoに詳しい情報筋は伝えている。Linksysは2005年のCeBITでCiscoブースの隅に出展していた。

 Ciscoの心変わりは、CeBITの運営企業が答えにくい質問を投げ掛ける――ITプロフェッショナル向けとうたう展示会に、コンシューマーエレクトロニクス製品の出展はふさわしいだろうか?

 1990年代後半のある時期、Deutsche Messeは年の後半に開催する別の展示会CeBIT Homeを立ち上げてメインのCeBITからコンシューマー製品を分離しようとした。ところがこの試みは短期間で失敗に終わり、コンシューマー製品はただちにメインのCeBITに戻された。

 そして今、同社は再びコンシューマー製品の分離を試みている。来年、27番ホールに、「デジタルリビング」と称される家電に特化した出展会場が設けられる。開催場所は同じだが、CeBITとは別の展示会という位置付けだ。

 「27番ホールは、技術面でも、法律面でも(CeBITとは)完全に別だ」とプリュセル氏。このデジタルリビングエリアは、テレビやAV機器メーカーが最新製品をコンシューマー、小売企業、流通企業に向けて披露する場として提供される。

 そのほかの家電デバイスの展示は、ITプロフェッショナルである来場者を魅了する製品である限り、メインのCeBITで歓迎される。例えばプラズマディスプレイは、ビジネスプレゼンテーションでも、寝室でもリビングルームでも使われるデバイスだ、とプリュセル氏は話している。

 同氏によれば、携帯電話やデジタル音楽プレーヤーといったガジェットも、コンシューマーと小規模企業を顧客に持つ小売企業にとって魅力的な製品かもしれない。「これはコンバージェンスの現れの1つだ」と同氏。

 どの来場者のニーズも満足させようというこの試みも、一部には不評のようだ。

 10月末、家電メーカーSony Deutschlandのマネージングディレクター、マンフレッド・ゲルデス氏は、ソニーは2006年CeBITに出展しない方針であり、この先の出展計画はまだ決めていないと発表した。ソニーが顧客にメッセージを伝えるプラットフォームとしてのニーズにCeBITが見合わなくなった、と同氏は説明した。

 オランダのPhilipsの家電部門も、別の種類のプラットフォームを模索している。過去のCeBITで強い存在感を示してきた同社だが、今年のCeBITには出展せず、代わりに独ベルリンで開催された家電展示会International Funkausstellung(IFA)に出展した。

 「当社のリソースをIFAに集中させることに決定した」とPhilipsの広報ナンダ・ホイジング氏はコメントした。同社は1月米ラスベガスで開催のInternational Consumer Electronics Show(CES)にも出展する。

 「大規模なプラットフォームは必要ない。IFAとCES、それに当社が主催するイベントで十分なプラットフォーム作りが可能だ」(同氏)

 携帯通信企業E-Plusは、これまでCeBITに100万ユーロ(約118万ドル)〜1000万ユーロ――大抵は上限に近い数字――のコストを投じてきた、と同社の広報担当ヨルグ・カルステン・ミューラー氏は言う。だが来年からは、これらのリソースを顧客とより近く接することができるダイレクトマーケティング手法に注ぐ方針だという。

 ただしE-PlusがCeBITから撤退するのは、決してこの展示会に否定的だからではないと同氏は強調した。最近はテクノロジーよりも料金プランを売りにするようなった同社にとって、テクノロジーの展示会に出展する意味はもはやなくなり、したがってIFAや独ミュンヘンで開催されるSystemsのどちらにも出展することはないだろうとミューラー氏は説明した。

 「CeBITは、今なおドイツにおける先導的なIT――そして家電の――展示会だと確信している。おそらく世界的にも」(ミューラー氏)

 たいした賞賛ぶりだ――ミューラー氏から見れば、E-Plusがいなくなっても(CeBITへの)家電の出展は人気が高いという。

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