米MicrosoftはWindows Vistaの重要な新機能「Restart Manager」に取り組んでいる。これは、システム全体をリブートせずに、OSやアプリケーションの一部をアップデートするための機能だ。
同社の担当者はこの新機能の情報をあまり公表してこなかったが、プラットホーム製品・サービス部門共同社長のジム・オールチン氏は最近、これは同社にとってリブート問題がいかに重要かを示す一例だとeWEEKに語った。
「アプリケーションやOSの一部をアップデートする必要がある場合、インストーラーはRestart Managerを呼び出す。この機能は、システムのその部分をクリアしてアップデートできるかどうかを確認する。できるのであれば、リブートなしでアップデートが行われる」(オールチン氏)
「リブートが必要な場合は、システムはアプリケーションとともにその時の状態のスナップショット(画面の表示状態)を記録し、アプリケーションをアップデートして再起動する。OSのアップデートの場合は、OSをその時の(スナップショットの)状態に戻す」と同氏は説明している。
もしもユーザーがWindows Vista上でOffice 12を使っていて、システムがどちらかをアップデートしなければならず、ユーザーがファイルを開いたままにしている場合、システムはアップデートを実行して、アップデート前の状態に画面を戻すとオールチン氏は言う。
MicrosoftのMSDN Windows Vista Developer Centerサイトに掲載されているRestart Managerの短い説明によると、この機能はMicrosoft Update、Windows Update、Microsoft Windows Server Update Services、Microsoft Software Installer、Microsoft Systems Management Serverと連係して、「ファイルを使用中のプロセスを検出し、マシン全体のリブートを必要とすることなく、サービスを優雅に停止して再開する。Restart Manager機能を活用するよう設計されたアプリケーションは、再起動後に、再起動前と同じ状態、同じデータを復元できる」。
360iの検索・コンテキスト製品担当ジェネラルマネジャー、アンソニー・リシカート氏は、Restart Managerは、それだけ見ると素晴らしいアイデアのように見えるとeWEEKに話した。
「『最新』で『最高』のものを、リリースされた瞬間に手に入れられる。だが、わたしは気に入らない。この機能が解決しようとしているのは影響であって原因ではないからだ」(同氏)
同氏はまた、Microsoftは「テストと品質保証に重点を置き、時間をかけて正しいことをすると決めたら」、Restart Managerでやると言ったことを実現できるだろうと慎重ながら楽観視しているという。「だが、それでも同社はファイルの破損、共有メモリスペースなどに関連するWindowsプラットフォーム特有の弱点を克服しなければならない」
しかしオールチン氏はeWEEKに、Restart Managerは、リブート問題がMicrosoftの焦点であり、「この先、絶えずアップデートが配信される世界がやって来たときに重要だ」ということを示す例だと語った。
Microsoft UpdateでもWindows Updateでも「Microsoftから送られてくるすべてが欲しい。セキュリティフィックスだけでなく何もかも、常に最高のものでアップデートしてほしい」というオプションが提供されるだろうとオールチン氏は言う。「そのような場合、マシンを何度もリブートすることはできない。リブートがなくなるということではない。リブートはされるが、われわれはそれを大幅に減らそうとしている」
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