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» 2005年12月21日 17時24分 UPDATE

ポイントは4割が未使用――合従連衡で利用率UPを

ネット界でもポイント制が浸透してきた。ポイントの利用率を高め、顧客囲い込みに生かすには、ポイントの入り口と出口を整備する必要があるとNRIは指摘する。

[岡田有花,ITmedia]

 ヤフーと日本航空(JAL)グループ、楽天と全日本空輸がそれぞれマイレージとポイントの相互交換で提携するなど、ポイントの相互連携が進んでいる。ポイントを顧客囲い込みに生かすには、効率的な合従連衡が重要になると、野村総合研究所(NRI)は指摘する。

 NRIの調査によると、ポイント利用経験者は20〜50代で8割を超え、年間総発行額は推計3300億円以上。ポイントが付くかどうかで購入する商品・サービスを変えると答えた人が約4割おり、商品選択の要素にもなってきた。

 同社が今年9月に行ったアンケート調査によると、貯めているポイントで多かったのはスーパー(43.4%)、携帯電話(42.7%)、家電量販店(41.2%)。ポイントを使いたい先は、スーパー・コンビニの割り引き(40.2%)、携帯電話の料金(35.5%)、食事券(31.0%)の順で多く、日常的に使う商品やサービスで貯蓄・利用意向が高い。

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 ただ、発行済みポイントの利用率は6割に過ぎず、ユーザーはポイントのメリットを十分に受け切れていないのが現状だ。ポイントを顧客囲い込みツールとしてフルに機能させるには、ポイントを貯められる先・利用先ともに増やし、ユーザーの“おトク感”を高める必要がある。

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 ユーザーの利用意向や業種同士のつながり、商品の原価率などを考慮し、効率よく環流する仕組みを作るべきと同社は指摘。合従連衡の切り口として(1)バリューチェーン、(2)サービス、(3)エリア――の3つを提案する。

 バリューチェーンは、特定の商品のライフサイクルに関わる企業同士でポイント連携するというもの。例えば自動車なら、メーカー、ディーラー、パーツやアクセサリー販売、ガソリンスタンド、メンテナンスなどの業種で連携してポイントを活用する。原価率が高いガソリンスタンドでは貯めるだけにし、原価率が比較的低いパーツや自動車修理で利用してもらうなどし、ポイント発行側の負担を軽減するといった策が考えられる。

 サービス連携は、同時に利用するサービス同士でポイント連携する。例えばネット関連なら、ISP、ポータル、コンテンツプロバイダーなどでポイントを連携させ、顧客囲い込みにつなげる。

 ポイントを使えば、テレビ向け広告費をネットユーザー個人に還元する仕組みも作れるという。広告主が何らかの方法で個人にポイントを与え、ポイントを使って広告配信先の有料コンテンツを見てもらう――といった具合だ。

 エリアで連携する場合は、電鉄会社のポイントと沿線にある店舗のポイントを連携させたり、地元の地域通貨と連携し、電鉄・沿線店舗相互の利用率を高めながら地域にも貢献する、といった戦略が考えられる。

 ポイント制の拡大につれ、連携先の奪い合いも始まっている。戦略的な合従連衡でポイントカードのおトク感をいかに高めるかが、今後の勝負の分かれ目になりそうだ。

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