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PCウイルス誕生から20年――次の標的は?

» 2006年01月20日 08時16分 公開
[ITmedia]

 初のPCウイルス誕生からこの1月で20年。セキュリティ企業のF-Secureによれば、この20年でウイルス繁殖にかかる時間が大幅に短縮され、ウイルス作者の動機も変化した。

 1986年1月に検出された初のウイルス「Brain」は、フロッピーディスク経由でコンピュータに感染するブートセクターウイルスだった。ディスク経由で感染していたため、ウイルスの発生から広範な拡散までには数カ月から数年かかっていた。

 フロッピーディスクの衰退とともにブートセクターウイルスは消滅し、1995年にWindowsの脆弱性を突いたマクロウイルスが登場。ウイルスの繁殖にかかる時間は約1カ月に短縮された。

 次いで電子メールの普及に伴い電子メールワームが登場すると、たった1日で世界に拡散してしまう状況に。さらに2001年にはBlasterやSasserなどのネットワークワームが出現し、わずか1時間で繁殖するようになった。

 現在では15万以上のウイルスが存在し、その数は急増し続けているが、この20年で最も大きな変化はウイルスの種類や量ではなく、ウイルス作者の動機だとF-Secureは解説。

 同社最高研究責任者のミッコ・ヒッポネン氏は「最も大きな変化は、趣味のウイルス作者が金目当ての犯罪集団に進化したことだろう。マルウェア作者がノートPCのWLANを次の標的に据える兆候は既に見られる。あと20年たったらどうなるのかは興味深いが、家に感染するコンピュータウイルスが登場しているかもしれない」とコメントしている。

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