ITmedia NEWS >

医薬品購入時にWebで服薬説明 ケンコーコムが新機能

» 2006年01月31日 12時48分 公開
[ITmedia]

 健康食品・医薬品などを販売するECサイト運営のケンコーコムは1月31日、医薬品の販売時にWeb上で薬剤師による服薬説明を行う機能を追加した。3月に提出される薬事法改正案では、副作用の恐れがある医薬品の販売時に「積極的な情報提供」の義務付けが盛り込まれる見通しで、新機能でこれに対応していく。

photo 質問項目へのチェックに応じて赤字で説明が表示され、服用禁止の場合は次ページへのボタンが機能しなくなる

 同サイトで医薬品を購入する際、「商品を購入する」をクリックすると、アレルギーや既往症の有無、年齢制限などの質問にチェック形式で答えるページに飛ぶ。答えに応じて、薬剤師が記した服薬説明が表示される仕組みだ。

 例えば「この薬を使用してアレルギーを起こしたことがある」にチェックすると、「あなたはこのお薬を使用することができません」と赤字で表示し、注意を促す。

 使用を禁止する服薬説明が表示されている場合、その先の購入ページにも進めないようにした。購入後、服薬上の注意事項を記した注意喚起メールも送信する。

 ケンコーコムの後藤玄利社長は新機能のメリットとして、(1)購入時に必ず服薬説明が行われることを保証できる、(2)服薬説明は必ず薬剤師が行うことを保証できる、(3)説明はメールでも送信するため、保管・検索性に優れる──などを挙げる。「薬局で1つ1つの医薬品について、対話しながら購入したことがどれくらいあったか思い出してみてほしい。こうしたことをきちんとできるのがインターネットの強みだ」(後藤社長)

 現在、同サイトで扱う2081種類の医薬品のうち、現時点で服薬説明に対応しているのは風邪薬や便秘薬、胃腸薬、検査薬など834種類。6月までに1300種類に拡大し、年内には全種類に対応する計画。薬剤師と相談できるテレビ電話機能の実験や、回答履歴のデータベース化、ユーザーの状態に合わせた注意喚起メールのパーソナライズ化なども進める予定だ。

 厚生労働省は3月の通常国会に薬事法改正案を提出する予定。改正案のベースとなる審議会の報告書では、医薬品をリスクに応じて分類し、リスクの高い薬については薬剤師による対面販売を必須とした。これに対し、医薬品のネット販売を行う同社などが改正案を見直すよう求める要望書を厚労相に提出した(関連記事参照)

 後藤社長は「審議会の報告を見ると、対面販売の定義は出ていないようだ。対面販売は安全性を確保するための手段であると認識している。薬事法の改正案はまだ明らかではないが、報告書の要件をITを使って満たしていく」と話した。ネット販売を手掛ける他の薬局・薬店向けにシステムのOEM提供も予定している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.