プレイステーション 3(PS3)のコストは初めは900ドル、発売から3年で320ドルに下がる――Merrill Lynchは2月17日に公開した報告書の中で、最新の分析結果を披露している。
同社はPS3の設計は製造が難しく、コストがかかると分析しており、特にCellプロセッサとBlu-rayドライブが問題だと見ている。同社の推定では、Cellのコストは少なくとも1個230ドル、Blu-rayドライブのコストは350ドルという。
ただし、Cellが現行の90ナノメートルプロセスから65ナノメートルプロセスに移行し、PS3以外の機器でもBlu-rayドライブの採用が増えればコストは下がるはずだとし、発売3年後のコストは320ドルになると予測している。ソニーがコスト削減に移れるのは2007年以降であり、2006年のPS3出荷台数は200万〜300万台とMerrill Lynchは予測している。
部品 | 発売時の推定コスト | 3年後の推定コスト | |
---|---|---|---|
CPU | Cell | 230ドル | 60ドル |
GPU | NVIDIA RSX | 70ドル | 50ドル |
光学ドライブ | Blu-ray | 350ドル | 100ドル |
メモリ | 256MバイトXDR(メインメモリ)、256MバイトGDDR3(ビデオメモリ) | 50ドル | 30ドル |
HDD | 着脱可能な2.5インチHDD | 不明 | 不明 |
USB | 6ポート(前面x4、背面x2) | 5ドル | 3ドル |
イーサネット | ギガビットイーサネット(入力x1、出力x2) | 5ドル | 4ドル |
Wi-Fi | 802.11 b/g | 5ドル | 3ドル |
Bluetooth | Bluetooth 2.0 | 5ドル | 5ドル |
その他 | アナログIC、ASIC、I/Oコンポーネント | 80ドル | 65ドル |
合計 | 900ドル※ | 320ドル | |
編集部注:表中の数字を足すと800ドルになりますが、Merrill Lynchの報告書では900ドルとなっているためそのままにしました。
またMerrill Lynchは、PS3の立ち上げが半年から1年遅れ、日本では秋、欧米では2006年末か2007年初頭になる可能性を指摘している。もし欧米での発売が遅れれば、ゲームソフト売り上げは同社の現在の予測から低下するだろうと同社は見込んでいる。ただし、MicrosoftがXbox 360の生産を拡大すれば、落ち込みの一部をカバーできるかもしれないとも同社は述べている。
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