Firebirdのブレーンを手に入れたMySQL（2/2 ページ）

» 2006年02月24日 12時37分公開

[Lisa Vaas，eWEEK]

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　実際、MySQLが有名なデータベース専門家のスターキー氏を手に入れたことは、OracleとMySQLの間の小さな戦争（と多くの人は見なしてきた）の最新の攻撃だ。

　Oracleはここ数カ月で、企業向け最新データベース「MySQL 5.0」にとって重要なトランザクションストレージエンジンを2つとも買収してきた。

　1つ目は10月のInnobase買収だ。Oracleはこれにより、InnoDBストレージエンジンの管理権を手に入れた。

　2つ目は2月14日、OracleはSleepycat Softwareに飛びつき、組み込み向けオープンソースデータベース「Berkeley DB」の管理権を得た。

　それに加えてOracleは、時期や金額は不明だがMySQLを買収しようとしたと、MySQLのマルテン・ミコスCEO（最高経営責任者）は最近のOpen Source Business ConferenceでCNETに語った。

　MySQLが、現在Oracleの支配下にあるエンジンへの依存を脱するために、独自のトランザクションストレージエンジンを開発する必要があるということは多くの人が認めるところだ。

　しかし、トランザクションエンジンのコーディングは容易な作業ではない。それに一部では、MySQLがその作業に取り組むための強力なスキルを持っているかどうか疑問だと言われている。

　スターキー氏はそうした作業に必要となるスキル、さらにそれ以上のものをもたらす。同氏は何年もの間、DECのリレーショナルデータベースアーキテクチャの設計、InterBase RDBMSの開発に携わっていた。InterBase RDBMSはマルチバージョニング、イベントアラート、アレイ、トリガー、BLOBをサポートする初のリレーショナルデータベースだ。

　スターキー氏とハリソン氏は、スターキー氏が設立したInterBase Software、Ashton-Tate、Borland Internationalなどさまざまなオーナーの下でInterBaseの設計と開発を担当してきた。

　2000年以来、両氏は関連するオープンソースソフトプロジェクトであるFirebirdに携わってきた。

　スターキー氏は、Webアプリケーション開発環境、オブジェクト指向ツール、ビジュアルIDEも開発している。

　MySQLのカリー氏は、スターキー氏の同社での仕事について詳しく話すのは時期尚早だが、同氏の専門知識は「MySQLデータベースサーバ、プラガブルストレージエンジンアーキテクチャの将来版のさまざまな機能など、当社の開発組織全体で共有される」だろうとしている。

　MySQLは「スターキー氏を迎えたことをうれしく思っている。彼がより良い製品を提供する手助けができるプロジェクトがたくさんあるからだ」とカリー氏は話している。

　Netfrastructureに関して言えば、同社は社員が1人の会社であり、スターキー氏とハリソン氏が買収の真の成果と考えられているとカリー氏は言う。

　それでもMySQLは、Netfrastructureの技術資産をオープンソース製品にするか、その方法をどうするかを時間をかけて考える計画だ。

　またカリー氏によると、MySQLはNetfrastructure顧客のサポートを継続する。

　MySQLは27日に、スターキー氏とハリソン氏の雇用だけでなく、新しいCTO（最高技術責任者）タネリ・オタラ氏を獲得したことも発表する予定だ。

　オタラ氏はMySQL入りの前に、企業向けセキュリティ分析を提供するSenSageでCTO兼エンジニアリング担当副社長を務めていた。

　同氏はまた、Oracle、Verano、Zambeel、GlobalCenter/Global Crossing、Alcomで幹部職や上級エンジニアリング管理職を務め、Otasoftを設立した経歴も持つ。

　同氏はフィンランド出身で、オウル大学で電気機械工学を学んだ。