米航空宇宙局(NASA)のスーパーコンピュータが「これまでで最大の宇宙物理学上の計算」を完了した。2つのブラックホールの合体の3Dシミュレーションだ。
このシミュレーションを実行したのは、NASAのエイムズ研究所に設置されたスーパーコンピュータ「Columbia」だ。
NASAはこの3Dシミュレーションで、ブラックホール合体による重力波がどう見えるかを再現した。これは宇宙をまったく新しい方法で探索する基盤になるとNASAは述べている。
これまでのシミュレーションは、コンピュータのクラッシュに悩まされてきた。アインシュタインの相対性理論に基づく公式が極めて複雑だったからだ。NASAの科学者はこの公式をコンピュータが理解できるように翻訳する方法を発見した。
「ブラックホールの合体は、宇宙で起きている中で最も強力なイベントだ。宇宙のすべての星が合体するよりも大きなエネルギーを放出する。われわれは今や、重力波探知機を誘導する現実的なシミュレーションを手に入れた」とNASAゴダードセンターの宇宙重力物理学研究所責任者ジョアン・セントレラ氏は述べている。
この研究についての詳細は、「Physical Review Letters」の3月26日号に掲載された。「Physical Review D」にも掲載される予定だ。
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