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中判のマミヤ、カメラから撤退

» 2006年04月24日 03時49分 公開
[ITmedia]

 マミヤ・オーピーは、中判カメラなどを手がけてきた光学機器事業を譲渡し、同事業から撤退する。中判は画質で優れるが、高画素化した一眼レフデジタルカメラの登場などで売り上げが大幅減に陥り、早急な回復は見込めないと判断した。

 システム構築会社、コスモ・サイエンティフィック・システムの子会社コスモ・デジタル・イメージングに、光学事業部門と子会社のマミヤを9月1日付けで営業譲渡する。譲渡額は1億円。商標権や特許権なども含む。

 マミヤ・オーピーによると、デジタルカメラが浸透してきた2001年ごろから同社製中判カメラの売り上げは大幅に減少。昨年12月には、6×4.5判とほぼ同サイズのCCDを搭載する「Mamiya ZD」を投入したが、売り上げは不振だったという。2005年3月期、光学機器事業部門(連結)の売上高が21億4900万円だったのに対し、営業赤字が8億3900万円に上っていた。

 同社製カメラのアフターサービスは新会社で引き継ぐ。従業員も「相当数」が新会社に雇用される予定としている。

 マミヤは中判カメラの老舗メーカー。世界初の6×4.5判一眼レフ「M645」を世に出し、6×7判の「RB」「RZ」シリーズは写真館やコマーシャルのプロに愛用され、レンジファインダー式の「マミヤ6」「マミヤ7」は手軽な中判機として好評だった。かつてのレンズブランドは「セコール」。

 マミヤ・オーピーは1992年、釣り具のオリムピックがマミヤ光機を吸収合併して誕生したが、2000年には釣り具事業から撤退していた。光学機器からの撤退で、合併前会社の主力事業をそれぞれ手放したことになる。今後は電子機器事業とスポーツ事業に特化する。

 国内の主な中判カメラメーカーでは、タムロンが吸収していたブロニカが昨年10月に生産を終了している。ペンタックスは、1800万画素センサーを搭載した「645 Digital」のモックアップを公開した。富士写真フイルムは一眼レフ「GX645AF」「GX680」が現行ラインアップに残っているが、観光地の集合写真でおなじみだった「GW690」などの生産を中止している。

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