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Appleサーバが「Intel inside」になったら……(2/2 ページ)

» 2006年04月28日 16時21分 公開
[John Rizzo,eWEEK]
eWEEK
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Intel Xserveはプラスかマイナスか

 IntelベースのXserveが登場すれば、Appleの業績に貢献するだろう。

 「Intel inside」のXserveにより、AppleのサーバがありきたりのIntelサーバと見なされる危険性も常に伴う。だがディール氏は、Xserveが新しいIntelプロセッサを搭載しても、不利な点よりもむしろ有利な点の方が多いと考えている。

 「Xserveの差別化要因はプロセッサだけではない。そのデザイン、管理アプリケーション、総所有コストが、プロセッサの種類を超えた差別化要因を与えているのだ」(同氏)

 XserveがMac OS Xを搭載する唯一のサーバになりそうだという事実もある。デスクトップマシンと同様に、Appleが自社OSを非Appleサーバ向けにライセンスすることはないだろう。

 障壁になるどころか、「IntelプロセッサをAppleサーバラインに採用すれば、Appleのサーバ製品を購入する際にIT管理者が直面するかもしれない幾つかの問題をなくす一助になるだろう」とディール氏は言う。「Xserveの価値命題に貢献すると思う」

 AppleのIntelプロセッサ移行はこれまでのところ成功している。同社は1〜3月期にIntelベースのiMacとMacBook Proを出荷した。この期間に前年同期比4%増の100万台を超えるMacが売れ、Appleにとって2番目に好成績を収めた四半期となった(4月20日の記事参照)

 Appleが何を計画していようと、今のところ同社の水も漏らさぬ秘密主義はいかなる情報も漏らしていない。Apple観測筋は、同社がWWDCでサーバ製品関連の何らかの発表を行うと予測している。

 Appleがサーバ市場で大きなシェアをつかんでいない理由の1つは、長期的なロードマップがないことにあるのかもしれない。調査会社によるとHewlett-Packard、Dell、IBMは市場の60%以上を占めているため、Appleは残る部分をめぐってほかの企業と戦うことになる。

 だが、ディール氏はAppleが単に市場シェアを狙っているだけだとは考えていない。Appleは垂直市場の顧客が必要なものをすべて手に入れられるようにサーバ事業を展開しているのだと同氏は言う。

 「わたしはしばしば、AppleはXserveラインを捨てるだろうと予測していた。同社にサーバラインが必要なのかどうかをめぐってはかなり議論がなされている。しかし、メディアやデザイン、科学研究、教育など特定の垂直市場の顧客は、同社のサーバラインにある程度の関心を示しており、Intelプロセッサへの乗り換え後も関心を持ち続けるだろう」(同氏)

 だが、XserveがiPodやMacBook Proと同じだけの賞賛を浴びると期待してはいけない。

 「サーバラインがあれば、Appleは追加の顧客ニーズを満たせる。しかし、これが今後のAppleのロードマップで大きな部分を占めるとは言えない」(ディール氏)

 Appleは本稿に関するコメントを拒否した。

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