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「IE 7のMSN検索統合は不当」――Googleが当局に懸念表明

» 2006年05月02日 08時06分 公開
[ITmedia]

 米New York Times紙が5月1日に報じたところでは、Microsoftがブラウザ新版のInternet Explorer(IE) 7でMSN検索をデフォルトに設定しているのは独占力の行使に当たり不当だとして、Googleが米司法省と欧州委員会に懸念を伝えた。

 IE 7では右上に検索ボックスが組み込まれ、MicrosoftのMSNがデフォルトの検索サービスになっているが、Googleはこれについて、MicrosoftがWebトラフィックを不正に獲得して競合相手から広告収入を奪い取ることを狙ったものだと主張しているという。

 Googleでは米司法省および欧州委員会と最近行った話し合いの中でMicrosoftのこの行為について取り上げ、消費者の選択肢を制限するものであり、競争上の懸念があるとの見方を伝えたと、New York Timesは報じている。

 これに対してMicrosoftでは、Googleは同社の意図を誤解しており、ブラウザのデフォルト設定は簡単に変えられるなどと反論しているという。

 企業と独禁法当局の話し合いは頻繁に行わるものであり、今回行われたGoogleと当局の話し合いも、調査が差し迫ったことを意味するものではないとNew York Timesは解説。ただ、Googleがあらゆる手を使ってMicrosoftと対決する姿勢を強めていることを示すものだと指摘している。

 一方、MicrosoftのIE 7開発チームが公開しているブログ、IEBlogのエントリーでは、IE 7においてMSNは「デフォルト」ではないと主張している。

 IE 7の検索ボックスはIE 6のAutoSearch設定をそのまま引き継ぐ仕様となっており、それはユーザーの好みに応じていることの結果だと同ブログでは説明。これまではこの仕様についてユーザーからポジティブな意見をもらっていると述べている。

 AutoSearchは今ではYahoo!、Google、Windows Liveツールバーの設定を反映することもできるとブログでは述べている。また、IE 7の最終バージョンをリリースした後に出されるOEM版Windowsが搭載された新規マシンを購入した場合には、自分に最適な検索エンジンを選ぶことができるという。

 IE 7で検索ボックスの検索エンジンを変更するには、ドロップダウンメニューのリストから選択する方法、OpenSearchを利用する方法などがあると同ブログでは解説している。

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