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アキバ発「パラパラマンガ」を新しい文化に

» 2006年06月27日 19時20分 公開
[ITmedia]

 教室の人気者だったあなたに朗報だ。デジタル文化の情報発信地でもある東京・秋葉原で、ぱらぱらめくると絵が動く「パラパラマンガ」を広めようという運動が始まり、7月3日からコンテストの作品応募を受け付ける。

 教科書の隅っこなどに落書きして楽しんだ人も多い、どこか懐かしいパラパラマンガと秋葉原との取り合わせはちょっと意外だが、主催者は「デジタル全盛のいま、絵を1枚1枚書いて手でめくるというアナログ思考が新たな文化の創造につながれば」と期待している。

photo 審査委員長を務めるやくみつるさんと、メイド姿で応援に駆け付けたほしのあきさん

 コンテスト「やくみつるのパラパラマンガ道場」は、文具メーカーのコクヨS&Tが新製品「キャンパスノート(パラクルノ ミニ)」(税込み189円)の発売に合わせて行う。同ノートは裁断面を斜めにカットしてめくりやすくしたユニバーサルデザインが特徴で、サイズもA7版(70×102ミリ)と小さく、「パラパラマンガにも最適」(同社)だ(関連記事参照)

photophoto めくりやすい「キャンパスノート(パラクルノ ミニ)」を使い、パラパラマンガを作成する。ノートは56枚。複数冊を使った大作などもOK

 同ノートに描いたオリジナルのパラパラマンガを9月15日まで募集し、漫画家のやくみつるさんらが審査して優秀作を決める。審査の過程では作品をWeb上で公開し、マンガ作成技術の優劣ではなく「物語性」「独創性」「芸術性」を基準に総合的に評価する。優秀者には賞品を贈る。

photo 「キャンパスノートのヘビーユーザー」というやくさんは「絵がスムーズに動くと楽しい。あまり絵が飛んでしまうとつながりが悪い」と審査のポイントを指摘。「絵がまったく描けない」というほしのさんは「分かりやすく楽しい、みんながびっくりするような作品を作ってください」

 秋葉原では、同コンテストを中心イベントに据えた「秋葉原パラパラマンガフェスタ」を実施。フリーペーパー「あきば通」や秋葉原西口商店街などでコンテストの告知を展開する。

 世界有数の電気街・秋葉原は、ハードだけでなくアニメや同人誌などソフトの情報発信地でもある。安価なデジタル機材の登場でアニメ作品を個人制作するクリエイターも増えているが、セル画を使ったアニメは“秒間24コマのパラパラマンガ”。パラパラマンガはアニメの原点でもある。

 同フェスタ実行委事務局長の小林たかや千代田区議は「パラパラマンガは、手でめくり、目でページとストーリーを追うという人間の能力をフル活用するアナログなもの。デジタルは有効に活用していくべきだが、アナログが新しい文化創造やムーブメントの発端になれば」と話し、デジタル最先端の街・秋葉原からアナログ文化が広まれば、と意気込んでいる。

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