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Web2.0っていったい何だ?News Weekly Access Top10(2006年6月25日-7月1日)

» 2006年07月03日 18時11分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 先週のアクセストップは、mixiの「チェーン日記」に関する記事だった。記事タイトルに「Web2.0」という言葉を使ったが、ネット上では「この記事の内容とWeb2.0とは関係ない」という意見もあり、さまざまな議論を呼んだようだ。

 Web2.0というキーワードは昨年末ごろから流行し始め、いつの間にか浸透してしまった。定義があまりにあいまいだったため、以前はできるだけ記事で使わないようにしていたのだが、今や一般紙を含めて特集記事が載り、毎日のように目にする時事用語に。ある雑誌などは企業をWeb1.0からWeb1.9までランク付けするなど、何でもありの様相を呈してきた(その雑誌によると、Googleは『エリート主義でユーザーを信頼していないからWeb2.0ではなくWeb1.9』らしい)。

 言葉自体はなんとなく浸透したものの、定義はあいまいなまま。提唱したティム・オライリーもはっきりとは定義しておらず、それぞれの人がそれぞれの意味で使っているのが現状だ。

 ただ、ネット業界には、みんなが何となく共有しているWeb2.0感、いわば“次の”Web感があるように感じる。それは、インターネットが初めて登場したときに感じた、ネットならでは理想郷――だれもが平等に情報発信・受信でき、世界の誰とでもつながることができる世界――だ。

 mixiの記事で記者が「2.0的」――ネットが当初の理想に近づいてきた――と感じたのは「ネット発信のハードルが下がり、誰もが情報発信できるようになった」という点だ。これは歓迎すべきことだが、発信にある程度の知識が必要だった従来のシステムのままでは、どこかに大きな破たんが起きてしまいそうな危うさも感じる。

 時代に合った教育やサービスのあり方を、誰かが考え直ねばならないのか、それとも“Web2.0的な仕組み”が自然に解決してくれるのか。Web2.0的な考えからいくと、ルールもユーザーの集合知で考える、という流れが自然に感じるが、さて。

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