フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは7月3日、先ごろ募集した「第1回 電子工作キット制作コンテスト」の最終選考会を開催した。全国から寄せられた応募作品のうち一次審査を通過した14作品から最優秀作品賞以下6作品が選ばれ、授賞式も執りおこなわれた。
このコンテストは、小学生高学年以上を対象に広く電子工作の楽しさを実感してもらうことで、未来のエンジニアの育成や科学技術力の維持・向上を狙って、フリースケールが今年から始めたもの(後援:九十九電機)。同社のマイコンを使用し、作る楽しさや考える楽しさなど電子工作のおもしろさを体験できる工作教材をテーマに、4月末から約1カ月半募集していた。短い期間ながら58名の応募があったという。最終選考の審査は、フリースケールの高橋恒雄社長、九十九電機の鈴木淳一社長、ロボットスーツHALの研究で知られる筑波大学大学院システム情報工学研究科の山海嘉之教授らが務めた。
最優秀作品賞を授賞したのは、濱原和明さんの「どこでも加速度メータ」。マイコンに三次元加速度センサーとLEDディスプレイを組み合わせ、3軸方向の加速度をリアルタイムに表示・記録できる作品。自動車に取り付ければ乱暴な運転のチェックに使え、「ジェットコースターに乗せればどの遊園地のものが一番すごいか分かる」(高橋社長)、「宅配便の荷物に付ければ途中で投げられたかどうかチェックできる」(山海教授)などといった応用範囲の広さが高く評価された。
山海教授は「テクノロジーがどんどんブラックボックス化していくなか、(ものづくりには)デバイスの1つ1つの働きを理解しながら進むことが大切だ」「今日は本当にすばらしいものを見せてもらった。(こうした活動が)次代のエンジニア育成に繋がっていくといいと思う」と講評した。また今後の展開について高橋社長は「今回は小学生を視野に入れたものだったが、今後は大人向けに絞るなどということも考えられる」また「フリースケール・アジアの社長と話したら、(他の国々とも)コンペをやろうという話も出てきた」と話している。
授賞部門 | 受賞作品 | 受賞者 |
---|---|---|
最優秀作品賞 | どこでも加速メータ | 濱原和明さん |
小学生高学年、中学生向け教材部門 | HC08ミニマイコン扇風機 | 川野亮輔さん |
高校生向け教材部門 | 簡単!ライントレーサ・コンピュータ | 森戸篤也さん |
一般者向け教材部門 | 表面実装リフロー装置 | 小寺匠さん |
審査員特別賞 | ひかりのデュエット | 岩本正敏さん |
ツクモロボット王国賞 | ピッチベンド機能付き電子ピアノ | 伊藤剛浩さん |
社員賞 | 腕立て君 | 田中範明さん |
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