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コラム
» 2006年07月13日 13時24分 公開

MicrosoftもWeb2.0企業になれるか?

Web2.0の世界でトップになるためのカギは「コラボレーション」だ。かつて優れたコラボレーションソフトを世に送り出したレイ・オジー氏は、MicrosoftをWeb2.0企業にすることができるだろうか。

[Jim Rapoza,eWEEK]
eWEEK

 「コーラブレーション・グッタイム・カモーン」(クール&ザ・ギャングの名曲「コラボレーション」)

 もちろんクール&ザ・ギャングはコラボレーションについではなく、セレブレーションについて歌ったわけだ。だがお祭り騒ぎは始まっている。その中心はコラボレーションだ。

 わたしが言っているのはWeb2.0のことだ。近ごろではテクノロジー関連サイトを見ても、カンファレンスに行っても、それどころかネットをサーフィンしたり技術者と話すだけでも、Web2.0は避けて通れない。これはもう、かなりな流行語だ。

 そして、Web2.0サイトやWeb2.0テクノロジーの多くを構成している最大の要素の1つがコラボレーションだ。Web2.0の基本部分は、多数の人々の知識や労力を利用して価値あるものを作り出すものだ。

 これが、Web2.0をMySpaceのような子どもっぽいものだと考えている企業が間違っている理由だ。結局、Web2.0の中心的な任務は、ほかのあらゆるビジネスと同じなのだ。

 現在のコラボレーションの価値について、もっと裏付けが欲しいって? Microsoftを見ればいい。ビル・ゲイツ氏が引退を決意したとき、後継としてチーフ・ソフトウェア・アーキテクトに選ばれたのは生粋のMicrosoftタイプだっただろうか?

 そうじゃない。Microsoftが選んだのは、同社に来てわずか1年しかたっていないある人物だった。そしてこの人物――レイ・オジー氏――はかつて、ほんの15年前に、Microsoftがたたきのめそうとした企業の中心的な社員だった。

 だが、オジー氏がMicrosoftで最高の地位の1つに昇進したことを見ても、目に飛び込んでくるのはコラボレーションだ。オジー氏は誰よりもコラボレーションについて熟知していると言っていい。

 何しろ、オジー氏がMicrosoftに入社したのは、同社がオジー氏の会社、Grooveを買収したときなのだ。この会社は近年魅力的なコラボレーション製品を作ってきた。そして、オジー氏はこの会社を興す前、懐かしのLotus Notesを世に送り出した。

 従って、オジー氏のMicrosoftでの昇進が示すのは、同社がコンピューティングの未来ではコラボレーションと相関性が重要で、将来的に同社も参入し、すべての自社製品でコラボレーションを可能にする必要があると見なしていることだとわたしは思う。

 ここまではいい。だが、Microsoftが完全なWeb2.0企業になるためには、まだ幾つか昔からあるハードルを跳び越える必要がある。

 まず、Microsoftでは、いまだに重くて大きいクライアントアプリケーションが中心で、ユーザーにそうしたアプリケーションにしばりつけている。Microsoftのアプリケーションの中で最もWeb2.0的なSharePointでさえ、そうであることが分かる。

 SharePoint自体は非常に良くできたポータルであり、Webコラボレーションプラットフォームだ。しかし、これを強化するためには、すべてを現行バージョンのOfficeクライアントと統合させて使わなければならない。これは企業にとって非常にいら立たしいことだ。実際の企業では、プロジェクトで協力し合う必要のあるメンバー全員が最新バージョンのMicrosoft製品を使っているわけではないのだ。

 重いクライアントソフト(ファットクライアントソフト)の問題には、Microsoftだけでなく、オジー氏自身にも責任がある。オジー氏はコラボレーションを理解しているが、ファットクライアントもよく知っている。Notesは常に顧客にとってやや重すぎたし、Grooveのアプリケーションの最大の欠点は、それらが「リソース食い」なソフトだったことだ。

 Microsoftが本気で参加型Web2.0界で重要な地位を占めたいと考えるなら、本当に軽く、速くなる必要がある。Ajax(Asynchronous JavaScript and XML)のようなWeb開発の進歩によって、それも不可能ではなくなってきている。また、Zimbraスイートのようなオープンソースのコラボレーション製品を見れば、どうすればGrooveのようなクライアントソフトを、機能を犠牲にせずにブラウザ上で動くように作ることができるかが分かる。

 Microsoftがこうしたコラボレーションツールと次世代Grooveを構築すれば、おそらく非常に人気が出るだろう。だが、軽快なコラボレーション機能はあってもファットクライアントにしばりつけられているような、半端に従来型を引きずった製品を作り続けるなら、多くの企業が他社製品の検討を始めるだろう。

 ディスコ全盛時代同様、Web2.0の世界で皆と楽しくやるにはスマートでなくちゃ。

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