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Vista・Office延期の補償に乗り出すMicrosoft(2/2 ページ)

» 2006年08月09日 11時29分 公開
[Per Galli,eWEEK]
eWEEK
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 Microsoftが2001年に新しいLicensing 6.0とSoftware Assuranceを導入したとき、顧客の間では混乱が起きた。

 これらのプログラムは複雑で説明も不十分だった。それに多くのアナリストは、顧客がソフトに支払う金額が大幅に増えると予測した。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)はその後、このプログラムの説明が不十分で、一部の顧客に悪影響を与えたと認めた。同社はそれから顧客に満足してもらえるよう、あらゆるインセンティブを追加した。

 しかし、2004年にSoftware Assurance契約が最初の更新期を迎えたとき、多くの顧客はこのプログラムから得られる価値に疑問を持ち、更新すべきかどうか疑問視した。

 しかしMicrosoftのワールドワイドパートナー部門副社長のアリソン・ワトソン氏――このプログラムはパートナー各社にも影響を及ぼすため、まだこの分野で展開されているわけではないものの、パートナー部門の同氏がプログラムの今後について意見を持っている――は、最近のeWEEKの取材で、同社はVistaの延期がSoftware Assurance顧客や関連するパートナーに及ぼし得る影響を心に留めていると語った。

 「当社は既に、悪影響を受ける顧客と関連パートナーを特定済みだ。ワールドワイドパートナー分野は、この問題に関する顧客満足を確保するための提案やインセンティブ、パートナーへのコミットメントにより強化されるだろう」

 「この分野やパートナーチャネルには、Vistaの延期がネガティブに受け取られるような状況を緩和するツールや提案とでも呼べるものが提供されるだろう」(同氏)

 だがワトソン氏は、ボリュームライセンス契約を結んでいる企業、提携パートナーへの製品延期による影響は少ないと主張し、彼らにとって重要なのはソフトの出荷時期よりも、ソフトがどのように提供されてサポートされるのか、製品ファミリー全体やプラットフォームにどう影響するかだと述べた。

 同氏はまた、サービス方面でMicrosoftと提携しているISV(独立系ソフトベンダー)やパートナーにとっては延期はいいことかもしれないと主張した。

 「率直に言って、パートナー各社は、扱いきれないほど多くの事業を実施していると主張している。彼らには時間が必要であり、彼らが新たな人材とスキルと獲得するためには当社の支援が必要だ。だからある意味では、サービス企業やISVパートナーにとっては、(延期は)コードをテストして修正する時間をもっと長く取れる希望の兆しだ」(同氏)

 Microsoftが完全に準備できるまで製品を出荷しないことは、同社製品の再販パートナーにとっても重要なことだ。

 「ソフトの準備ができていなければ、いつ出荷されるかは問題ではない。準備ができていなかったら、顧客の苦情や不満のためにリセラーの利益率が低下する。だから準備ができるまで待つ方がずっといい」(ワトソン氏)

 Microsoftはまた、OEMとシステムビルダー向けに、Vistaの「技術保証」のための別のプログラムを作成していると考えられている。

 Windows Vistaの広報担当者は、OEMパートナーとともに「年末商戦期の顧客満足を支える最善の方法に取り組んでいるが、詳細は決まっておらず、現時点で公表することはない」と認めるにとどめた。

 このプログラムは、2006年内にWindows XPシステムを購入するコンシューマーや企業に、Vistaが2007年1月にリリースされた後に同OSへのアップグレードを提供するクーポンが目玉になりそうだ。

 Microsoft担当者は、この技術保証プログラムの提供時期や詳細に関するコメントを控えた。

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