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コンビニコピー機で証明書をプリント 認証ローミング実験に成功

» 2006年08月30日 21時34分 公開
[ITmedia]

 東京電力の情報システム子会社・テプコシステムズと三菱電機は8月30日、異なる認証局間で認証結果を共有するローミング技術の実証実験に成功したと発表した。例えば携帯電話で大学に卒業証明書の発行を申請し、認証情報を連携してコンビニエンスストアのマルチコピー機で受け取るといったことが可能になる。

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 独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)の委託研究プロジェクトとして実施し、セブン-イレブン・ジャパンと中央大学が協力した。

 実験では、セブン-イレブン店内のマルチコピー機と中央大のシステム、テプコシステムズのシステムをネットで接続。携帯電話から中央大の証明書発行用サイトにアクセスし、在学・卒業証明書を申請すると、証明書の印刷用データをセブン-イレブンのプリントサーバに送信。ユーザーはマルチコピー機を利用する際、認証ローミング先として中央大を選ぶと、中央大のユーザーIDで本人認証が行われ、証明書がプリントされる。三菱電機は暗号技術などを提供した。

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 システムごとに認証の仕組みはまちまちで、異なるシステム間で認証情報をやりとりする際にはハードルが多い。このため利用するシステムが増えれば増えるほどログインIDやパスワードの数も増える結果となり、利便性の低下やセキュリティの危険が生じているのが現状だ。

 認証情報を安全に共有・連携できれば、認証の手間が省ける。実証実験では、ユーザーはセブン-イレブンで利用登録をしなくても済むようになっている。例えばクレジットカード会社の認証情報を活用し、ショッピングサイトにカード情報を渡さずに安全に決済できる仕組みも可能になる。企業間で機密書類をやり取りする際などにも応用できるとしている。

 セブン-イレブンは、同技術を活用した新サービスの導入を検討していく。公共料金の収納代行の取り扱いは年々拡大しており、住民票・戸籍謄本を受け取りたいという要望も50%以上あるという。山口俊郎社長は「実用化にはある程度の利用量の見込みが必要だが、検討したい」と話している。

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