「ドロップシッピング」って何?
サイバーエージェントやシーサーなどのネット企業が「ドロップシッピング」への参入を相次いで発表している。ドロップシッピングは、米国で流行していると言われるEC(電子商取引)の仕組みで、個人でも手軽に始められるのが特徴。「次世代のアフィリエイト」などと期待する声もある。
ドロップシッピングとは
ドロップシッピングは、ブログやECサイト、オークションなどで、売り主が在庫を持たずに商品を販売できる仕組み。商品はメーカーから直送されるため「drop shipping」(直送)と呼ばれる。
売り主が運営する販売サイトに注文が入ると、サイトがメーカーや卸売り業者に注文を転送。発送と決済はメーカー・業者が行うため、販売サイト自体は在庫や決済システムを持つ必要がない(決済は販売サイトが行うケースもある)ため、事業資金となる元手が少なくてもショップを開設できる。実際にこの仕組みで店を開き、月数十万円を売り上げる例も出てきている。
サイバーエージェントやシーサーが参入したのは、販売サイトとメーカーを仲介するASP事業だ。販売サイトに対しては、ショッピングカートや注文管理システムなどを提供し、メーカーに対しては、商品登録システムや在庫管理システム、決済代行システムなどを提供。売り上げの分配なども行う。
ASP事業者の主な収入源は、メーカー側から徴収する入会金や月額利用料――いわば販売サイトへの「出店料」だ。一部ASPは、サービス内容に応じて販売サイトから手数料を取っている。
メリットは
「本格的なECサイトを在庫リスクなしで運営できる。アフィリエイトよりもうかる」――ASP事業者の多くは、販売サイトを運営するメリットをこう説明する。
確かにドロップシッピングは、売れ残りリスクと背中合わせの在庫を持ってECサイトを1から開設するよりも手軽だ。発送や決済といった面倒な作業はメーカーやASPが行ってくれるケースが多いため、販売サイトは集客・販売だけに専念すればいい。
販売を仲介する商品の価格が決まっているアフィリエイトとは異なり、ドロップシッピングでは販売サイトが商品に自由に値付けできるのもメリット。アフィリエイトでECサイトなどから支払われる報酬額は商品価格の数%が一般的だが、ドロップシッピングなら値付け次第で利益額を増やせるため、利益率が高い、とも言われる。
商品を供給するメーカーにとっては、ネット上で販路の拡大できるメリットがある。ドロップシッピングサービスに登録すれば、多くのサイトが自社の商品を紹介・販売してくれる営業マンになってくれる可能性が出てくる。
リスクは
「ドロップシッピングはノーリスク」と紹介されることもあるが、もちろんリスクはある。
アフィリエイトと異なり、販売サイトが販売主体となることが多く、その場合は特定商取引法に基づき、サイト運営者の住所や氏名などをサイト上に明示する必要がある。問い合わせやクレーム、返品に対応する必要もあり、商品に欠陥があった場合には一定の責任を負う可能性もある。
顧客情報の管理もリスクだ。顧客情報を販売サイトが持つ場合は、万が一にも情報流出などがないよう、厳正な管理が必要になる。顧客情報をASPが持つケースもあるが、その場合は販売サイトやメーカーに顧客情報が蓄積されず、マーケティングに生かせない。
ただし利用条件はサービスによって大きく異なり、リスクやメリットもさまざま。リスクに応じて異なるプランを設定しているASP事業者もある。利用の際は各サービスを比較・吟味し、最適なサービスを選ぶ必要がありそうだ。
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